■決算動向
(2) 2016年3月期における主な活動実績(戦略の進捗)
サン電子 {{|0:}}は、米国市場を中心に急拡大してきたモバイルデータソリューション事業の更なる強化、及びM2M事業やAR事業など成長分野への積極投資に取り組んでいる。
a)モバイルデータソリューション事業
世界的な需要拡大への対応を図るため、フランス、カナダ、中国に新たな拠点を開設し、これまでのドイツ、シンガポール、ブラジルと合わせてグローバル展開に向けた体制強化を図った。
前期は、主力の米国市場が一時的な要因等により落ち込んだが、それ以外の地域では一部の拠点(中国等)に立ち遅れがみられたものの、総じて着実に拡大傾向にある。
2016年3月期の拠点別売上構成比率(月次ベース)は、北米が59.1%(前期は64.6%)、中欧が7.9%(同6.7%)、アジアが7.9%(同6.5%)、南米が3.6%(同1.1%)、その他が21.6%(同21.1%)となっている。
また、更なる差別化の強化(特にフォレンジック)を促進するため、開発費を約472百万円増加(約75%が人件費)させ、開発者の人数(人的資本)を240名(前期末比37名増)に拡大した。
MLC向けでは、潜在需要が大きい故障診断(Diagnostics)の導入を促進しているが、新たなサービス展開として、2015年1月にCellomat社との資本提携(持分法適用会社化)を行った。
Cellomat社は、携帯電話の販売及び一連の修理手続きを「24時間365日」全自動でサポートするPOSシステムを展開しており、同社が注力している故障診断機能との親和性が高い。
一方、フォレンジック向けでは、今年4月にインターポール(国際刑事警察機構・シンガポール総局)とのパートナー契約締結を発表した。
加盟190カ国の捜査関係者に対してトレーニングを行うなどサイバー犯罪捜査の高度化に貢献することにより、フォレンジック市場でのプレゼンスや優位性を高めるところに狙いがある。
b)その他事業(M2M、新規事業)
M2M事業では、2015年1月にM2M(IoT)プラットフォームを提供するBacsoft社(イスラエル)との資本提携を締結(2015年9月に連結子会社化)した。
PCやタブレット、スマートフォンなど様々な端末により監視が可能であることに加えて、各種端末から制御する機能があるところが他社にはない強みとなっている。
イスラエルの大規模プラントなどで導入実績があり、現在は主に中南米市場をターゲットに事業拡大を図っている。
国内でも前期より本格的なサービスを開始しており、産業機器、エネルギー管理・農業などの分野で初期導入の案件が増えてきた。
なお、連結子会社に伴う取得価額(総額)は約14億円であり、のれんは約11億円(5年償却)が計上されている。
また、新規事業として、O2Oアプリ・ソリューションの提供開始やARトータルソリューションの開発にも取り組んでいる。
2015年4月に資本提携(持分法適用会社化)したInfinity AR社のAR技術は、優れた空間認識や電力消費を極力抑えるところに優位性がある。
同社の有するコンテンツ開発のノウハウや長年培ったハードウェア技術、各事業におけるB2B営業網との融合を図るとともに、Infinity AR社のAR開発プラットフォームを活用した斬新なARコンテンツやARソリューションの実現を目指す。
また、2015年10月にはメガネ型デバイス向けのディスプレイに優れた技術を持つLumus Ltd.(以下、Lumus社)との業務提携を行った。
AR事業において、ハードウェアからアプリケーションまでをそろえたトータルソリューションの実現に向けて着々と体制構築を進めている。
以上から、前期業績は一旦後退したものの、同社の成長戦略は順調に進捗しているものと評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
(2) 2016年3月期における主な活動実績(戦略の進捗)
サン電子 {{|0:}}は、米国市場を中心に急拡大してきたモバイルデータソリューション事業の更なる強化、及びM2M事業やAR事業など成長分野への積極投資に取り組んでいる。
a)モバイルデータソリューション事業
世界的な需要拡大への対応を図るため、フランス、カナダ、中国に新たな拠点を開設し、これまでのドイツ、シンガポール、ブラジルと合わせてグローバル展開に向けた体制強化を図った。
前期は、主力の米国市場が一時的な要因等により落ち込んだが、それ以外の地域では一部の拠点(中国等)に立ち遅れがみられたものの、総じて着実に拡大傾向にある。
2016年3月期の拠点別売上構成比率(月次ベース)は、北米が59.1%(前期は64.6%)、中欧が7.9%(同6.7%)、アジアが7.9%(同6.5%)、南米が3.6%(同1.1%)、その他が21.6%(同21.1%)となっている。
また、更なる差別化の強化(特にフォレンジック)を促進するため、開発費を約472百万円増加(約75%が人件費)させ、開発者の人数(人的資本)を240名(前期末比37名増)に拡大した。
MLC向けでは、潜在需要が大きい故障診断(Diagnostics)の導入を促進しているが、新たなサービス展開として、2015年1月にCellomat社との資本提携(持分法適用会社化)を行った。
Cellomat社は、携帯電話の販売及び一連の修理手続きを「24時間365日」全自動でサポートするPOSシステムを展開しており、同社が注力している故障診断機能との親和性が高い。
一方、フォレンジック向けでは、今年4月にインターポール(国際刑事警察機構・シンガポール総局)とのパートナー契約締結を発表した。
加盟190カ国の捜査関係者に対してトレーニングを行うなどサイバー犯罪捜査の高度化に貢献することにより、フォレンジック市場でのプレゼンスや優位性を高めるところに狙いがある。
b)その他事業(M2M、新規事業)
M2M事業では、2015年1月にM2M(IoT)プラットフォームを提供するBacsoft社(イスラエル)との資本提携を締結(2015年9月に連結子会社化)した。
PCやタブレット、スマートフォンなど様々な端末により監視が可能であることに加えて、各種端末から制御する機能があるところが他社にはない強みとなっている。
イスラエルの大規模プラントなどで導入実績があり、現在は主に中南米市場をターゲットに事業拡大を図っている。
国内でも前期より本格的なサービスを開始しており、産業機器、エネルギー管理・農業などの分野で初期導入の案件が増えてきた。
なお、連結子会社に伴う取得価額(総額)は約14億円であり、のれんは約11億円(5年償却)が計上されている。
また、新規事業として、O2Oアプリ・ソリューションの提供開始やARトータルソリューションの開発にも取り組んでいる。
2015年4月に資本提携(持分法適用会社化)したInfinity AR社のAR技術は、優れた空間認識や電力消費を極力抑えるところに優位性がある。
同社の有するコンテンツ開発のノウハウや長年培ったハードウェア技術、各事業におけるB2B営業網との融合を図るとともに、Infinity AR社のAR開発プラットフォームを活用した斬新なARコンテンツやARソリューションの実現を目指す。
また、2015年10月にはメガネ型デバイス向けのディスプレイに優れた技術を持つLumus Ltd.(以下、Lumus社)との業務提携を行った。
AR事業において、ハードウェアからアプリケーションまでをそろえたトータルソリューションの実現に向けて着々と体制構築を進めている。
以上から、前期業績は一旦後退したものの、同社の成長戦略は順調に進捗しているものと評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)