11日の香港市場は値上がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比227.11ポイント(0.81%)高の28431.80ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が82.09ポイント(0.77%)高の10784.01ポイントとそろって続伸した。
売買代金は674億400万香港ドルとなっている(10日は643億3300万香港ドル)。
外部環境の改善で投資家心理が上向く。
大幅利下げ観測による10日の米株上昇を好感した。
昨夜行われたパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言では、貿易摩擦の不透明感や世界経済の先行き不安が続いているとして、より緩和的な金融政策を打ち出す方針が示唆されている。
原油高もプラス。
10日のWTI原油先物は4.5%高と大幅続伸し、約1カ月半ぶりの高値水準を回復した。
ハンセン指数の構成銘柄では、エネルギー関連の上げが目立つ。
石油大手3社の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.4%高、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が1.9%高、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が1.8%高、石炭最大手の中国神華能源(1088/HK)が0.9%高で引けた。
ハンセン指数銘柄以外では、海洋油田掘削サービス大手の中海油田服務(2883/HK)が4.0%高、天然ガス事業の昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が1.4%高と買われている。
業種別では、香港系不動産が高い。
新鴻基地産発展(16/HK)が2.2%、恒基兆業地産(12/HK)が1.7%、新世界発展(17/HK)が1.6%ずつ上昇した。
通貨を米ドルにペッグする香港は金融政策で米国に追随するため、米利下げで域内の住宅ローン金利も低下すると期待されている。
本土系金融セクターもしっかり。
交通銀行(3328/HK)が1.9%高、中信銀行(CITICバンク:998/HK)が1.1%高、中国太平洋保険集団(2601/HK)が1.8%高、中国人寿保険(2628/HK)が1.7%高、中信証券(6030/HK)が1.4%高と値を上げた。
他の個別株動向では、炭鉱開発用重機で中国最大手メーカーの三一重装国際(631/HK)が4.6%高と続伸。
6月中間期の大幅増益見通しが材料視された。
本土市場は4日ぶりに反発。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.08%高の2917.76ポイントで取引を終えた。
銀行・保険株が上げを主導。
資源・素材株、発電株、海運株も買われた。
半面、ハイテク株はさえない。
自動車株、不動産株、医薬品株も売られた。
【亜州IR】