[ニューヨーク 2日 ロイター] 6日に始まる週の米国株式市場では、この週から始まる第2・四半期の決算発表に注目が集まる見通し。
決算発表を予定しているのはアルミニウム大手アルコア
この週はまた財務省証券の入札も控えている。入札を順調にこなせば、株式市場にとってもプラスとなる。前週に財務省は過去最高となる総額1040億ドルの入札を実施。堅調な需要を集め、米政府の財政赤字が膨れ上がるなか需要が落ち込むとの懸念は払しょくされた。
ヒンズデール・アソシエーツの投資部門ディレクター、ポール・ノルテ氏は「市場は当面はボックス圏から抜け出せないとみている」と述べた。ただ「決算発表シーズンの開始で市場に動意が出てくる。特に銀行セクターの決算が少なくとも回復するとの期待がある」と述べた。
市場参加者は決算を発表する企業のなかで「より悪くない」ものに注目するとみられる。アナリストは、予想の水準がそもそも低いため、予想を上回る決算を発表する企業も出てくると予測。株価の上昇につながる可能性があるとの指摘した。
トムソン・ロイターのデータによると、S&P総合500種に採用企業の第2・四半期利益は35.5%減少したと予想されている。10セクター全てで悪化したとみられる。
減少幅が最も小さかったとみられるのが医薬・ヘルスケア部門で、2%減少。減少幅が最も大きかったとみられるのが素材とエネルギー部門。素材部門は78.9%、エネルギー部門は64.7%減少したと予想されている。
ウェルズ・ファーゴ・アドバイザーズのScott Marcouiller氏は「決算の内容はあまり芳しくないだろう。ただこれまでの経済統計の発表と同様、思ったほど悪くないという結果になるだろう」と述べた。
S&P総合500種<.SPX>は3月9日に終値ベースで12年ぶりの安値をつけた後、急回復。その後は上値が重い展開が続き、6月は膠着状態となり、880─950のボックス圏で推移した。
アナリストの間からはこのレンジの下限では底堅く、この水準に向けて下落すれば、重要な下値試しになる一方、この水準を維持すればポジティブな兆候となるとの見方が出ている。
3月以降、株価の下落は比較的軽微で、期間も長続きししなかった。これは上昇局面で買い遅れた向きが下落局面で買いを入れたためとみられる。ウェルズ・ファーゴ・アドバイザーズのMarcouiller氏は「市場に資金が戻ってくるのがいかに速いかを物語っている」と述べた。
この週に発表予定の主な経済統計は、6日の6月米ISM非製造業景気指数、10日の5月貿易収支と、7月のミシガン大消費者信頼感指数速報値など。
9日発表の新規失業保険申請件数は、2日に発表された6月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が予想以上に減少したことで、通常より注目を集める見通し。プルデンシャル・インターナショナル・インベストメンツ・アドバイザーズのチーフ・インベストメント・ストラテジスト、ジョン・プラビーン氏は「新規失業保険申請件数が増加し続けた場合、景気回復の強さについて疑念が生じる」と述べた。
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