[マドリード/アンカラ 30日 ロイター] - トルコのエルドアン大統領は30日、北大西洋条約機構(NATO)加盟申請を巡る約束をフィンランドとスウェーデンが守らなければ、国内の批准手続きを行わないと述べた。
NATO首脳会議の閉幕に当たり記者会見し、北欧2国はテロリストに関する法改正を早期に終える必要があると指摘。
また、トルコがテロリストと見なす73人の引き渡しをスウェーデンが約束したと述べた。28日に合意した覚書では引き渡しについて具体的な約束はなく、北欧2国がトルコの要請に対処するとだけ記されている。
エルドアン氏は「覚書の項目が履行されるか注視し、それに応じて行動する」とし、「両国はまず文書に記された義務を果たすべきだ。さもなければ批准文書を議会に送付するなど問題外だ」と述べた。
覚書によると、北欧2国はクルド人武装組織の「クルド労働者党(PKK)」と「人民防衛隊(YPG)」、トルコが2016年のクーデター未遂事件の首謀者とみる在米イスラム指導者ギュレン師の関連組織を支援しないことなどを約束した。身柄引き渡しの対象者は特定されていない。
スウェーデンのアンデション首相は、引き渡しにおいては国内法と国際法に従うとし、手続きはトルコが提供する情報に左右されると述べた。