■今後の見通し
(2)中期経営目標について
アクセル (TOKYO:6730)は2014年4月に発表した2019年3月期の業績目標値(売上高18,000百万円、ROE15%)を今回据え置いた。
業績目標策定時からの変化点としては、2019年3月期の遊技機器市場の前提を300万台から290万台に引き下げたことが挙げられる。
前述したように、遊技機器市場において、射幸性を抑える傾向になっており、遊技場だけでなく遊技機器メーカーにおいても経営環境が厳しくなってきていることが背景にある。
また、「AG5」への移行スピードも想定よりやや遅れ気味となっている。
当初の想定では2016年3月期に「AG4」から「AG5」に主役が交代するとみていたが、遊技機器メーカーのコスト意識の高まりにより、リユース志向が強まっていることに加えて、画像用メモリの容量制限により、新規基板への変更動機が低下していることが背景にあるとみられる。
画像用メモリの容量制限については、日本遊技機工組合の申し合わせにより、上限が64Gbitに制限されている。
上限を設けないと映像制作コストが膨大となり、遊技機器の価格上昇による遊技ホールの経営圧迫要因につながりかねないためだ。
ただ、2015年12月には容量制限の見直しが行われる可能性もあり、仮に上限が128Gbitに緩和されれば「AG5」への移行が一気に進む可能性もある。
このため、2018年3月期までは業績は伸び悩む可能性もあるが、2019年3月期に関しては「AG6」の量産開始、グラフィックスLSIのシェア拡大に加えて、メモリモジュールを含めたシステムビジネスへの展開、複数社へのメモリモジュール採用、演出周辺LSIの立ち上がりなどにより、売上高18,000百万円、ROE15%の達成を目指していく。
営業利益に関しては3,000百万円程度となる見通しだ。
遊技機器市場全体の伸びは期待薄であるものの、遊技機器1台当たりに搭載されるアクセル製品の比率を増やしていくことで、収益を拡大していく戦略となる。
同社の推計によれば、遊技機器向けグラフィックスLSI、メモリモジュール、LEDドライバの年間需要は約500億円程度となる。
同社の遊技機器向け売上高は前期実績で100億円強だったことから、これら領域で市場シェアを拡大していくことで、成長余地は十分あると言えよう。
遊技機器市場以外の売上見通しについては、ほぼ横ばい水準が続くとみているが、それぞれ売上拡大に向けた取り組みを進めている。
組み込み機器用グラフィックスLSIは「AG903」を今期中に投入し、既存顧客向けでの「AG901」からの置き換えを進めていくほか、新規顧客の開拓を代理店経由で進めていく考えだ。
また、デジタル簡易無線通信用LSIは競争環境が厳しいものの、公共分野を中心に市場規模やコスト面など事業化に向けた検証と営業活動を継続していく方針としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
業績目標策定時からの変化点としては、2019年3月期の遊技機器市場の前提を300万台から290万台に引き下げたことが挙げられる。
前述したように、遊技機器市場において、射幸性を抑える傾向になっており、遊技場だけでなく遊技機器メーカーにおいても経営環境が厳しくなってきていることが背景にある。
また、「AG5」への移行スピードも想定よりやや遅れ気味となっている。
当初の想定では2016年3月期に「AG4」から「AG5」に主役が交代するとみていたが、遊技機器メーカーのコスト意識の高まりにより、リユース志向が強まっていることに加えて、画像用メモリの容量制限により、新規基板への変更動機が低下していることが背景にあるとみられる。
画像用メモリの容量制限については、日本遊技機工組合の申し合わせにより、上限が64Gbitに制限されている。
上限を設けないと映像制作コストが膨大となり、遊技機器の価格上昇による遊技ホールの経営圧迫要因につながりかねないためだ。
ただ、2015年12月には容量制限の見直しが行われる可能性もあり、仮に上限が128Gbitに緩和されれば「AG5」への移行が一気に進む可能性もある。
このため、2018年3月期までは業績は伸び悩む可能性もあるが、2019年3月期に関しては「AG6」の量産開始、グラフィックスLSIのシェア拡大に加えて、メモリモジュールを含めたシステムビジネスへの展開、複数社へのメモリモジュール採用、演出周辺LSIの立ち上がりなどにより、売上高18,000百万円、ROE15%の達成を目指していく。
営業利益に関しては3,000百万円程度となる見通しだ。
遊技機器市場全体の伸びは期待薄であるものの、遊技機器1台当たりに搭載されるアクセル製品の比率を増やしていくことで、収益を拡大していく戦略となる。
同社の推計によれば、遊技機器向けグラフィックスLSI、メモリモジュール、LEDドライバの年間需要は約500億円程度となる。
同社の遊技機器向け売上高は前期実績で100億円強だったことから、これら領域で市場シェアを拡大していくことで、成長余地は十分あると言えよう。
遊技機器市場以外の売上見通しについては、ほぼ横ばい水準が続くとみているが、それぞれ売上拡大に向けた取り組みを進めている。
組み込み機器用グラフィックスLSIは「AG903」を今期中に投入し、既存顧客向けでの「AG901」からの置き換えを進めていくほか、新規顧客の開拓を代理店経由で進めていく考えだ。
また、デジタル簡易無線通信用LSIは競争環境が厳しいものの、公共分野を中心に市場規模やコスト面など事業化に向けた検証と営業活動を継続していく方針としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)