ロシア自動車販売店協会のアレクセイ・ポドシュチェコルディン会長によると、中国製自動車のロシアからの輸入は、アメリカの制裁に起因する支払い問題により、大きな混乱に直面しているという。こうした難題を回避するために、モスクワと北京は、中国の小規模な地方銀行を利用して遅延を回避するなど、複雑な手段を採用している。
中国の大手金融機関は、米国の二次的制裁を恐れてロシアとの貿易促進を敬遠しているため、このような戦略が採用されている。
制裁は特に小規模の輸入業者に影響を与え、不渡りが出ると中国からの輸出が減少し、ロシアの輸入業者にとってはビジネスの損失となり、追加コストが発生する可能性もある。ポドシュチェコルディンは、ロシアの銀行が中国で営業し、ルーブルの口座を扱っていても、取引が処理されず、資金が滞留していると説明した。
制裁以前は、ロシアや中国の大手銀行がこうした取引を扱っていたが、制裁リストに徐々に追加されるにつれ、取引は小規模で目立たない銀行にシフトしていった。
2022年2月24日のウクライナ侵攻を受けて欧米の自動車メーカーがロシアから撤退して以来、中国の自動車メーカーはロシア市場の半分以上を獲得している。中国の税関統計によると、1月から5月までの中国の対ロシア自動車輸出額は前年同期比36％増の48億6000万ドルに達した。
支払い問題は広範囲に及んでおり、スペアパーツを必要とするロシア国内の最大手メーカーにまで影響を及ぼしている。ポドシュチェコルディンは、取引を円滑にするための共同銀行や電子システムなどの解決策に期待を示した。
ポドシチェコルディン氏は、回避策として物々交換が提案されているが、石油、小麦、砂糖、ガスなど、当局が価格について合意しやすい商品とは対照的に、自動車やスペアパーツではこの方法は非現実的だと指摘した。自動車や部品の評価には複雑な性質があるため、物々交換取引はこれらの商品にとって困難な選択肢となっている。
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