ドル/円
正午現在 89.06/08 1.2596/00 112.20/24
午前9時現在 88.82/86 1.2638/40 112.25/28
NY17時現在 88.59/65 1.2634/40 112.00/02
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[東京 12日 ロイター] 正午時点のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時
点から上昇し、約2週間ぶり高値圏の89円前半で推移している。実需の動きに加えて参
院選での与党大敗を受けた円売りがドル/円やクロス円をじわりと押し上げた。ただ、市
場では米決算発表の本格化や欧州ストレステストへの関心が強く、参院選を受けた円売り
は長続きしないとの見方が多い。
ドル/円は、朝方の88円後半からじりじりと上昇。正午までに89.15円まで上値
を伸ばした。参院選での与党大敗は「どちらかといえば円安要因」(クレディ・アグリコ
ル銀行外国為替部ディレクター、斎藤裕司氏)で、早朝から小刻みに円売りを探る動きが
みられ、いったん落ち着いたものの東京時間に入って再び円売りが優勢になった。前週末
の米国株高や米金利上昇で「もともと円売りの地合いはあった。そこに参院選を受けた円
売りが加わったようだ」(国内銀行)という。安値で買いそびれた輸入企業がドルやクロ
ス円で買いを入れたこともドル/円を押し上げた。一方で、約2週間ぶりのドル高水準だ
が、輸出企業のドル売りは小規模なものにとどまったという。
ただ、市場ではドル/円の先高感は乏しい。「米金利の上昇が鈍く、ドル/円上昇の持
続性は疑問だ。90円を抜けるイメージはない。米金利を考えるうえでは米決算発表を見
極めたい」(国内金融機関)という。
<欧州ストレステスト発表で金融市場にさらなるストレスとの見方>
ユーロ/ドルは9日に2カ月ぶり高値となる1.2723ドルに上昇したあとの反動で、
緩やかに下落。市場では欧州金融機関のストレステストへの関心が高く「欧州金融システ
ムへの不透明感を後退させる」(国内証券)との期待が出ている。
一方で、草野グローバルフロンティア代表取締役の草野豊己氏は「ストレステストの結
果は金融市場のさらなるストレスになる。ヘッジファンドはこれを狙って準備を進めてい
る」と指摘。12日発行予定の独シュピーゲル誌によると、ギリシャ国債のヘアカットは
20%だが、同氏は「CDS市場をベースに考えれば、ヘアカットは50%でもおかしく
ない」として、市場の不透明感を払しょくするには現在想定されている以上に厳しい前提
が必要とみている。また、資本不足行に対して十分な資本増強策を準備できるかどうかも
不透明なほか、公的資金による資本増強を受けた銀行がこれを元手に欧州ソブリン債を買
って各国の資金調達を助ける構図も考えられ、草野氏は「欧州は、金融機関から国、国か
ら他の国へと不良資産・損失のババ抜きが始まる」と予想している。
市場では「ストレステストの結果発表まではユーロを売りにくいが、発表で不透明感が
払しょくできるとは思えない。発表後はあらためて売り直されるだろう」(国内金融機関)
との声も聞かれた。ストレステストをめぐっては、きょうのユーロ圏財務相会合、明日
13日のEU財務相理事会での議論が注目されている。
(ロイター日本語ニュース 松平陽子)