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東京外為市場・15時=ドル82円半ば、短期筋は来年に向けた新規ポジションを取り始める

発行済 2010-12-07 15:48

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 82.49/54 1.3345/46  110.07/14

正午現在   82.37/40  1.3324/30  109.78/83

午前9時現在 82.67/70  1.3286/90  109.85/90

NY17時現在 82.67/71  1.3303/08  110.03/07

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 [東京 7日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に

比べ若干ドル安の82円中ば。米長期金利が低下したことや、中国の利上げ観測が強まっ

たことが円買いを誘発したが、82円前半ではドル買い需要が厚く、底堅さを保った。市

場では短期筋が来年に向けた新規のポジション作りに入ったとの見方もでている。

  

 ドル/円は正午過ぎに82.34円まで下落したが、その後は小幅に反発した。

 ユーロ/ドルは正午過ぎまで反発基調が続いていたが、その後は高値圏でのもみ合いと

なった。

 市場では、「82円前半は、(ドル)買い需要が比較的厚いようだが、82円からは売

りが優勢となり、再び今年の安値が視野に入ってくる」と岡三証券外国債券グループ、グ

ループ長の相馬勉氏は予想する。

 ドルは11月1日に80.21円と今年の安値をつけ、15年ぶりの安値圏に入った。

 「短期筋のショート・カバーは(先週末の)米雇用統計を境に一巡し、現在は来年のポ

ジション作りに動き出し始めた」と相馬氏は指摘し、「来年は、FRBの金融政策を背景

に、需給面からみてもドルが下がる方向を予想する。上がるとすればユーロ安による他律

的な上昇だろう」とした。

  

 <中国レポレートの大幅低下>

 

 午前の取引では、中国の期間7日のレポレートが100ベーシスポイント以上低下し、

2.02%になったと伝わったことを受けて、ユーロや豪ドルが上昇した。

 「前日から中国が週末に利上げするとの噂が広がり、市場はリスクオフモードになって

いたが、(中国)短期市場金利の低下で、ユーロなどに買い戻しが入った」(証券会社)

という。

 中国の短期金融市場では、短期流動性を測る物差しとなる期間7日のレポレートの加重

平均が103ベーシスポイント(bp)低下し2.02%をつけた。前日

終盤は3.05%だった。 

 トレーダーは、短期借り入れ金利がこのところ過度に上昇したことで、資金需要が減退

したと指摘している。今後数日または数週間以内に銀行の預金準備率が50bp引き上げ

られる可能性に対し、主要銀行が十分な資金を用意していることもレポレート急低下の要

因と、トレーダーらは分析している。

 

 <アイルランド予算審議>

 

 きょうはアイルランドの来年度予算が議会で審議される。11月末に国際通貨基金(I

MF)とEU(欧州連合)が同国の支援を決定したが、支援第1弾は、アイルランドの

2011年度予算の成立が前提条件になっており、動向が注目されている。

 アイルランドの予算審議について「波乱がゼロとは言えない。加えて、最近、ドイツに

よる自国中心的な発言が多く、ポルトガル、スペインなどユーロ圏債務問題が尾を引くな

かで、不安定要素になっている」と住友信託銀行のマーケット資金企画部、マーケット・

ストラテジスト・瀬良礼子氏は指摘する。

 今後のユーロの見通しについて「今週、来週については、米国企業の決算など季節的な

ドル需要が見込まれる。こうしたドルのリパトリを背景に、ユーロが再び1.3ドルを割

り込む可能性もあるとみている」と瀬良氏は続けた。

  

 <豪中銀は金利据え置き>

 

 豪ドルは、豪中銀が政策金利据え置きを発表した直後に、一時0.9872米

ドル付近まで下値を伸ばした。しかし、その後は次第に買い戻され、午後3時過ぎの取引

では0.99米ドル前半での取引となっている。

 オーストラリア準備銀行(中央銀行)は、きょうの金融政策決定会合で、政策金利のオ

フィシャルキャッシュレートを4.75%に据え置いた。

 豪中銀は、景気について、民間投資は上向き始めている、とし、インフレ率は中期的に

は幾分上昇するとの見方を示した。他方、家計支出と借り入れはある程度慎重との判断を

示し、今後の雇用の伸びは一段と穏やかになると予想した。また、豪中銀は、(堅調な)

豪ドルがインフレ率の抑制に寄与するとの見方を示した。

   

 <野田財務相発言>

 

 野田佳彦財務相は閣議後の会見で、82円台前半に円高が進行していることに関連して、

「昨日、きょうと、ひとつの方向にまた偏った動きになりつつある。市場動向については

引き続き注意深くみていく」と述べ市場動向に懸念を示した。

 ドル安・円高の背景には、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が米テレビ番組

のインタビューで量的緩和第2弾(QE2)の規模拡大など追加緩和の可能性を示唆した

ことが指摘されているが、野田財務相は、市場はいろいろな要因で動いており、FRB議

長発言の影響はわからないとした。

   

 <カナダドル>

 カナダ銀行(中央銀行、BOC)の政策金利発表も控えている。「10月のCPIが上

ブレたことで、市場ではBOCの利上げの織り込み度合いが若干高まっているようだが、

国内経済の減速と、CPIの上ブレが一時的なものである可能性が高いため、われわれは

早期利上げの可能性は低いとみている」とJPモルガンチェース銀行は7日付の顧客向け

レポートで指摘した。

 一方市場では、カナダドルを含む資源国通貨に対して、長期的に強気の見方を持つ参加

者が多い。

 「ドルもユーロも買いづらいなか、現物(商品)の支持を得た資源国通貨が堅調となり、

カナダドルや豪ドルが買われる展開を予想する」(岡三証券・相馬氏)との指摘も聞かれ

る。

 ロイター調査では、調査対象となった44人全員が、カナダ銀行が7日に政策金利を1

%に据え置くと予想している。ただ2011年の次の利上げの時期については見方が分か

れた。 カナダ銀行は政策金利をことし3回引き上げたが、9月以降は静観を続けている。

 カナダドルは、1米ドル=1.0050カナダドル付近で小動き。ニューヨー

ク終盤とほぼ変わらず。

 (ロイター 森佳子記者)

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