[東京 26日 ロイター] - 野村ホールディングスが26日に発表した2022年1─3月期の連結決算(米国会計基準)では、純利益が310億円(前年同期は1554億円の赤字)だった。ホールセール部門は堅調に推移したものの、米国金利の上昇や地政学リスクの顕在化などで営業部門やインベストメント・マネジメント部門が低調だった。
前年同期は、米ファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントとみられる顧客との取引で2457億円の損失を出したことに伴い、1554億円の最終赤字を計上していた。
北村巧財務統括責任者(CFO)は第4・四半期について「市場が大きく変動し、顧客の取引量の低下や有価証券の評価損など、業績への影響を免れなかった」と振り返った。
部門別の税前損益は、ホールセール部門が370億円の黒字(前年同期は1659億円の赤字)と利益を伸ばした。アドバイザリービジネスなどが好調に推移した。
一方、営業部門は80%減の52億円、インベストメント・マネジメント部門は88億円の赤字だった。
北村CFOは、4月も営業部門は低調な出だしとなっているが、「マーケットが回復すればフローの収入は一定程度の自律反発が期待できる」と説明した。
ホールセール部門では、為替・エマージングなどを中心にフィクスト・インカムは好調だが、エクイティやインベストメント・バンキングは低調な出だしだという。地政学リスクや金利動向などの不透明感はしばらく続くと予想されることから、「リスク管理には細心の注意を払っていく」(北村CFO)と述べた。
足元で進む円安が同社に与える影響については、「(円安の)スピードが急だったため、顧客の動きが止まってしまった」としたが、「円安は日本経済に基本的にプラスに働くはずなので、中長期的にみればポジティブ」との考えを示した。
海外企業は円安を大きな好機と捉えているため、クロスボーダーの合併・買収(M&A)案件が増えてくるとも予想した。
23年3月期の業績予想は開示していない。IBESがまとめたアナリスト8人による連結純利益の予想平均値は2095億円となっている。
同時に発表した22年3月期の連結純利益は、前期比6.6%減の1429億円だった。
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