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アンビション Research Memo(3):首都圏、23区内に特化。客付け力を強みに高い入居率(97.7%)を確保

発行済 2018-03-29 15:45
更新済 2018-03-29 16:00
アンビション Research Memo(3):首都圏、23区内に特化。客付け力を強みに高い入居率(97.7%)を確保
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■事業概要

1. 首都圏に集中して物件を確保するサブリース事業
AMBITION (T:3300)のサブリース管理物件の所在地は、東京都が7,602件(84.4%)と多く、ほぼすべてが東京23区に集中している。
特に東京のプレミアムエリアと言われる渋谷区、港区、中央区、千代田区、品川区、新宿区、文京区などに物件が多い。
次いで多いのが神奈川県1,174件(13.0%)。
埼玉県170件(1.9%)、千葉県その他56件(0.6%)にも点在する。
分譲仕様のハイクオリティなデザイナーズマンションを中心として仕入れており、逆にアパート、コーポ、鉄骨造のマンションなどは対象外である。
核家族化や単身世帯の増加などに対応すべく、単身者用やDINKS向けの物件を多く管理する。
日本全国では既に人口減少が始まったが、東京都に限れば2020年にピークを迎えた以降も人口の推移はゆるやかな予想である。
積極的な物件確保の背景には、近々規制緩和される民泊の存在もある。
2017年6月に民泊新法(住宅宿泊事業法)が国会で可決成立し2018年6月に施行される見通しだ。
同社の物件は都心に集中しているため民泊向きの物件が多く、賃貸とともに民泊に転用するという選択肢が増える。


2. 強みは“客付け力”
一般論として、サブリース(転貸)事業には空室リスクが伴う。
同社が成長に向けて積極的なサブリース物件の取得を行える背景には、空室リスクを避ける“客付け力”がある。
借り上げ物件に入居者を付けられる自信があるからこそ、物件を増やせるのだ。
客付け力は、1)自社店舗、2)スタッフのノウハウ、3)良質な仕入れ、4)IT活用の4つの要素がある。


1) 自社店舗はルームピアなど首都圏19店舗で顧客の的確なニーズを把握し提案する体制が整っており、サブリース物件の約6割を成約させている。

2) スタッフのノウハウに関しては、“立地”重視で選びがちな風潮のなかで、“物件”の魅力をきちんと伝える営業手法に定評がある。
また適正な賃料設定ができるよう訓練されたスタッフがいることも強みだ。

3) 良質な仕入れに関しては、上場を機に物件オーナーからの信用力も向上し、一棟で任されることも増えた。
首都圏のDINKS・単身向け、デザイナーズマンションに注力してきたことによる“目利き力”も有利に働く。

4) IT活用においては、インターネット広告を積極化するとともに、顧客の利便性を追求するためにAIチャットなどを採用し、常に先進的な不動産取引の姿を追求している。


3. 主要経営指標(サブリース事業)
同社のプロパティマネジメント事業の主要な経営指標は、サブリース戸数と入居率である。
サブリース戸数は、ストックビジネスの特徴そのままに右肩上がりに推移してきた。
2014年12月末から2017年12月までの3年間に年率27.9%で増加し、9,002戸(2017年12月末)に達している。
2018年6月期上期は物件の仕入れが248戸となっており、例年よりは抑えた形だ。


物件を積極的に仕入れると入居率は下がるという関係にある。
例年、4月から12月までの期間は物件仕入れを優先し入居率は低め、繁忙期の1月~3月に契約を増やし入居率が上がる。
2017年12月末の入居率は97.7%となり前年同期末の88.8%から8.9ポイントも上昇した。
繁忙期を前に高いレベルになった理由としては、物件の仕入れを抑え目にしたことと営業体制の整備が浸透したことが挙げられる。


4. 今後期待される周辺事業:電力と保険
同社は2017年7月に金融庁から認可を受け、「(株)ホープ少額短期保険」として、保険事業を開始した。
同社の管理物件の顧客に対し、賃貸住宅入居者向け家財保険・賠償責任保険、賃貸オフィス・飲食店入居者向けの保険などを販売する。
いずれの事業も16,012戸(うちサブリース9,002戸)に及ぶ管理物件及び今後の取扱物件の入居者が販売対象であり、確実性の高い追加収入が見込むことができる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

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