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欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、引き続き北朝鮮情勢に警戒

発行済 2017-09-06 17:25
更新済 2017-09-06 17:33
欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、引き続き北朝鮮情勢に警戒
今日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想する。
今年の安値圏に値を下げたことで買い戻しが入りやすい展開となる見通し。
ただ、北朝鮮の核実験やミサイル発射などの再度の挑発行為や、米朝の軍事衝突を想定した東アジアの緊張から、円買い圧力も続きそうだ。


前日の海外取引時間帯では、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーでハト派と位置付けられるブレイナード連邦準備制度理事会(FRB)理事や、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が、インフレの伸び悩みを理由に年内の利上げ実施に否定的な見解を示し、ドル売りを強めた。
また、FOMC内では中立派のカプラン米ダラス連銀総裁も、日本時間の今朝行われた講演で利上げに関し「忍耐強くあるべきだと確信している」と述べた。


こうしたFRB当局者の発言を受け、ドル・円は108円台に落ち込んでいる。
目先は8月29日安値の108円27銭や4月安値の108円13銭が意識されやすい。
ただ、108円台は2017年の安値圏で買い戻しの水準でもある。
本日のアジア市場でも国内実需筋を中心とした押し目買いが観測され、108円半ば以上のレベルは維持している。
今晩は23時発表の米国の8月ISM非製造業景況指数が堅調な内容になると予想されており、それを手がかりとしたドル買いで欧米市場でもドルの下値は堅いとみられる。


とはいえ、ドルの戻りペースは鈍くなろう。
5日のジュネーブ軍縮会議で北朝鮮代表が演説し、米国が北朝鮮に圧力をかけ続けるなら「さらに“贈り物”を受け取ることになる」と発言。
今後も核実験やミサイル発射などで挑発を繰り返す考えを示した。
北朝鮮は9月9日の建国記念日に合わせ、挑発行為を行う可能性が指摘され、8月29日と同様に日本上空を通過するミサイルの発射などに警戒が広がり、目先も円買い圧力が続きそうだ。
(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-2.3%)
・21:30 米・7月貿易収支(予想:-447億ドル、6月:-436億ドル)
・21:30 カナダ・7月貿易収支(予想:-33億加ドル、6月:-36億加ドル)
・22:45 米・8月サービス業PMI改定値(予想:56.9、速報値:56.9)
・23:00 米・8月ISM非製造業景況指数(総合)(予想:55.6、7月:53.9)
・23:00 カナダ中銀が政策金利発表(0.75%に据え置き予想)
・03:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

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