英国中央銀行(BOE)は金融政策決定会合でリーマンショック以降7年5か月ぶりの利下げに踏み切った。
全会一致で決定。
また、4年ぶりに資産購入を再開するほか、社債購入プログラムも発表。
量的緩和(QE)の拡大に関してはウィール、フォーブス、マカファーティー英中銀金融政策委員会委員が反対し6対3で決定、社債購入はフォーブス委員が反対し8対1で決定した。
欧州連合(EU)からの離脱決定が景気見通しを大きく引き下げ底割れを回避するため、BOEは予想を上回る積極的な金融緩和を決定。
同時に公表したインフレ報告では、2017年の成長見通しを0.8%と、従来の2.3%から大幅に下方修正した。
下方修正幅は過去最大となる。
2018年は1.8%と、やはり従来2.3%から下方修正した。
ただ、引き続き成長が継続すると予想していることには注目。
カーニー総裁は会合後の会見で、ドラギECB総裁のスローガンを引用「BOEは何であれ必要な措置をとる(Bank of England will take whatever action needed)」と断固とした方針を示した。
英国が国民投票でEU離脱を決定する前、英国は米国と同様、「次の行動は利上げ」としていたことから、方針を180度転換したことになる。
カーニー総裁は、「BREXITは異例な状況を形成した」との見解で、「必要ならば一段の利下げが可能」としたほか、「政策パッケージの要素に拡大余地がある」と述べ、年末までに政策金利をゼロ付近にする方針を示唆。
英国EU離脱問題への不透明感、地政学的リスクの上昇などで、欧州中央銀行(ECB)や日本、英国など主要各国の中銀の追加緩和観測が強まる中、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げの余地はより狭まる。
米労働省が5日、7月雇用統計を発表する。
9月連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げの可能性を見極める上で鍵を握る。
非農業部門雇用者数は18万人増が予想されている。
6月分は28.7万人増と、4月、5月の弱い雇用と相殺した。
しかし、年初来の平均は17.2万人と、2015年同期の平均22万人を下回り、労働市場の拡大ペースが鈍化していることは明らか。
ブラード・セントルイス連銀総裁は、「労働市場の回復ペースの鈍化は労働市場が最大雇用に達した証拠」と判断している。
ただ、雇用統計がかなり良好な結果となったとしても、米国の利上げ観測を大幅に押し上げる可能性は少ないと見る。
*ポイント
・非農業部門雇用者数は18万人増が予想されている。
6月分は28.7万人増と、4月、5月の弱い雇用と相殺した。
年初来の平均は17.2万人と、2015年同期の平均22万人を下回る。
・失業率の年初来平均は4.9%で、15年の平均5.3%を下回る
・平均時給は前月比+0.2%と、6月+0.1%から上昇見通し、前年比+2.6%予想