■2016年3月期決算
(3)利益の詳細
テクマトリックス (T:3762)の2016年3月期の営業利益をセグメント別に見ると、情報基盤事業が前期比9.9%増の1,131百万円、アプリケーション・サービス事業が同約2.5倍の250百万円となった。
TMX 3.0での2016年3月期の計画に比べ、情報基盤事業は1%の上振れだったが、アプリケーション・サービス事業は38.9%の大幅な上振れとなった。
情報基盤事業における入札等の大型案件で機器販売が増加したことにより、同事業の売上高営業利益率は若干、伸び悩んだものの、アプリケーション・サービス事業の利益の伸びがこれを補い、全体の売上高営業利益率は前期比0.5ポイント増の6.6%となった。
なお、子会社もすべて黒字だった。
情報基盤事業は、売上高の増加に伴う増益要因と、利益率の高い高度なサービス及び大型案件の増加が為替変動による輸入機器類の円建てでの値上がりなどのマイナス要因を補い、利益を押し上げた。
アプリケーション・サービス事業も売上高の増加と、大型案件の受注が利益の向上に寄与した。
個別分野では、ソフトウェア品質保証分野が特に大きく貢献した。
さらに、医療分野におけるクラウドサービス化に伴う利益の短期的な減少が2015年3月期第2四半期まではアプリケーション・サービス事業全体の赤字の要因となっていたが、2016年3月期では、具体的な数値は非公開であるものの、赤字幅が計画以上に縮小した。
これも事業全体の利益の大幅増加の一因となっている。
なお、同社によれば、2017年3月期も約150施設の新規受注を目指すとしており、控え目に見ても2017年3月期の下半期には単月で黒字化が達成され、通期の利益はブレークイーブンになるだろうとコメントしている。
(4)受注状況
受注も極めて好調である。
2016年3月期の受注高は前期比13.1%増の23,171百万円、期末の受注残高は同25.3%増の11,136百万円となった。
情報基盤事業はセキュリティ関連製品の受注及び保守・監視サービスの増加で受注高が同16.8%増の15,157百万円、期末の受注残高が同28.6%増の5,863百万円となった。
また、アプリケーション・サービス事業はクラウド化の受注が増加し、受注高は同6.7%増の8,014百万円、期末の受注残高は同21.9%増の5,273百万円となった。
受注残高の伸びが大きいのは、「NOBORI」を始めとしたクラウドサービスの受注好調のためである。
ストック型ビジネスであるクラウドサービスは、売上計上が契約期間で案分されるため、受注の翌期以降に計上される売上が受注残高に含まれており、先行指標としても良好といえる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)
(3)利益の詳細
テクマトリックス (T:3762)の2016年3月期の営業利益をセグメント別に見ると、情報基盤事業が前期比9.9%増の1,131百万円、アプリケーション・サービス事業が同約2.5倍の250百万円となった。
TMX 3.0での2016年3月期の計画に比べ、情報基盤事業は1%の上振れだったが、アプリケーション・サービス事業は38.9%の大幅な上振れとなった。
情報基盤事業における入札等の大型案件で機器販売が増加したことにより、同事業の売上高営業利益率は若干、伸び悩んだものの、アプリケーション・サービス事業の利益の伸びがこれを補い、全体の売上高営業利益率は前期比0.5ポイント増の6.6%となった。
なお、子会社もすべて黒字だった。
情報基盤事業は、売上高の増加に伴う増益要因と、利益率の高い高度なサービス及び大型案件の増加が為替変動による輸入機器類の円建てでの値上がりなどのマイナス要因を補い、利益を押し上げた。
アプリケーション・サービス事業も売上高の増加と、大型案件の受注が利益の向上に寄与した。
個別分野では、ソフトウェア品質保証分野が特に大きく貢献した。
さらに、医療分野におけるクラウドサービス化に伴う利益の短期的な減少が2015年3月期第2四半期まではアプリケーション・サービス事業全体の赤字の要因となっていたが、2016年3月期では、具体的な数値は非公開であるものの、赤字幅が計画以上に縮小した。
これも事業全体の利益の大幅増加の一因となっている。
なお、同社によれば、2017年3月期も約150施設の新規受注を目指すとしており、控え目に見ても2017年3月期の下半期には単月で黒字化が達成され、通期の利益はブレークイーブンになるだろうとコメントしている。
(4)受注状況
受注も極めて好調である。
2016年3月期の受注高は前期比13.1%増の23,171百万円、期末の受注残高は同25.3%増の11,136百万円となった。
情報基盤事業はセキュリティ関連製品の受注及び保守・監視サービスの増加で受注高が同16.8%増の15,157百万円、期末の受注残高が同28.6%増の5,863百万円となった。
また、アプリケーション・サービス事業はクラウド化の受注が増加し、受注高は同6.7%増の8,014百万円、期末の受注残高は同21.9%増の5,273百万円となった。
受注残高の伸びが大きいのは、「NOBORI」を始めとしたクラウドサービスの受注好調のためである。
ストック型ビジネスであるクラウドサービスは、売上計上が契約期間で案分されるため、受注の翌期以降に計上される売上が受注残高に含まれており、先行指標としても良好といえる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)