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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米国の対イラン政策に警戒も

発行済 2018-08-07 17:25
更新済 2018-08-07 17:40
欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米国の対イラン政策に警戒も
7日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。
欧州通貨は引き続き買いづらく、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続方針を背景としたドル買いに振れやすい見通し。
ただ、米国の対イラン経済制裁の一部復活による中東情勢の不安定化に警戒が残る。


イタリアでは来年の予算編成に向け、歳出拡大で財政収支の悪化が懸念され、前週末から同国10年債利回りは2.90%台の高水準で推移している。
ディマイオ副首相は6日の国営テレビとのインタビューで、欧州連合(EU)が設定した財政赤字の対国内総生産(GDP)比3%の上限を順守する考えを示した。
一方で、ルールの順守は最優先事項ではないとも述べ、財政への懸念は払しょくされない見通し。
また、英国の欧州連合(EU)からの合意なき離脱への懸念も強まっており、ユーロやポンドなど欧州通貨売りに伴うドル選好地合いは、この後の欧米市場でも続くとみられる。


一方で、ドル・円の112円を目指す展開は想定しにくい。
米トランプ政権はイラン核合意からの離脱をすでに表明したが、オバマ政権時代に解除した経済制裁の再開を決定(一部は7日から復活)。
原油輸出も制裁の対象となるため、イランは米国への反発を強めている。
前日のNY市場での反応は限定的だったものの、中東情勢を不安定化させる要因として改めて材料視される可能性があろう。
加えて、日米貿易協議(FFR)も引き続きドル・円の重石となりそうだ。
茂木経済再生相は「米国と建設的な議論をしたい」と述べたが、市場では交渉に悲観的な見方が広がり、引き続き日本株安・円高のシナリオが想定される。
(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・23:00 米・6月JOLT求人件数(予想:662.5万件、5月:663.8万件)
・02:00 米財務省3年債入札(340億ドル)
・04:00 米・6月消費者信用残高(予想:+150.00億ドル、5月:+245.59億ドル)

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