[ワシントン 25日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が25日に公表した5月3─4日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、「大半の参加者」が6月と7月の会合でそれぞれ0.50%ポイントの追加利上げを行うことが「適切となる可能性が高い」との見解を示したことが分かった。
また、インフレが経済に対する主要な脅威であり、対応しなければ一段と上昇するリスクがあるとの認識から、全会一致で0.50%ポイントの利上げを決定した。
議事要旨は「参加者全員が、米経済は非常に強く、労働市場は極めてタイトで、インフレ率は非常に高いという点で一致した」といい、なお続く供給面での問題やウクライナ戦争、中国でのコロナウイルス感染拡大を受けたロックダウン(都市封鎖)などから、インフレリスクは「上向きに偏っている」とした。
「参加者は、(連邦公開市場)委員会が金融政策のスタンスを中立的な姿勢に迅速に移行させるべきとの意見に同意した。また、金融政策の制限的なスタンスが適切となる可能性があることも指摘した」とも指摘した。
「多くの参加者」は、今利上げをすれば「委員会が年内に金融引き締めの効果を検証する好位置に付けることができる」と判断した。
議事要旨では、FRBが景気後退や失業率の大幅な上昇を招くことなく、インフレを低下させる最善の方法を模索していることが示された。現在のインフレ率はFRB目標の2%の3倍超で推移している。
こうした中、「いくらかの」参加者は、インフレが「もはや悪化していないかも知れない」ことを示す経済指標が出始めたと指摘。ただそうした向きも「インフレがピークに達したと確信するには時期尚早」であることに同意したという。
また議事要旨は、企業に対する供給制約は「依然として大きい」と指摘。採用は依然として難しく、「企業が需要を満たす能力は引き続き制限されている」として物価上昇が続く要因があることを示した。
投資会社大手ブラックロックの米州債券部門トップのボブ・ミラー氏は、議事要旨は7月がFRBにとって重要な節目になることを示していると指摘した。今後さらに2回の0.50%ポイントの利上げを織り込んでいる中で「7月会合以降、FRBは利上げに関してより『経済指標次第』になる可能性が高い。7月以降の政策方針は基本的に、インフレ率の動向と労働市場の需給不均衡の是正に向けた進展に左右される」との見解を表明。これらの要因が改善すればFRBは利上げ回数を減らす方向にシフトする余地が生まれるが、そうでなければ金融引き締めを強化せざるを得なくなる可能性があるとの見方を示した。
FRBは同FOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50%ポイント引き上げ、0.75─1.00%とした。6月に保有資産の縮小に着手することも決定した。
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