30日の日本株市場は、米株高の流れを受けたギャップスタートから、日経平均は直近のボックスレンジ上限での攻防をみせそうだ。
29日の米国市場では、NYダウが326ドル高と続伸。
米中貿易摩擦の一段の深刻化が懸念される中、中国政府が冷静な交渉による解決を望む姿勢を示したことで、懸念がやや後退し、ハイテク株を中心に買いが先行。
また、米長期金利の上昇を受けて金融株にも買いが広がった。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比245円高の20705円。
円相場は1ドル106円50銭台とやや円安に振れて推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップスタートとなり、直近のもち合いレンジ(20250-20700円処)の上限レベルを窺う展開になりそうだ。
米中貿易摩擦の懸念後退を受けて半導体セクターが軒並み上昇している流れから、日経平均へのインパクトも大きいだろう。
ただし、先物主導によるギャップスタート後は、これまで同様、こう着感の強い相場展開になりそうだ。
米半導体株の値動きをみても、総じて買い一巡後は横ばい推移をみせており、米国市場においても中国政府の姿勢を材料視しているが、方向感は出難い需給状況である。
そのため、足元のレンジを超えてくることは考えづらいところである。
また、米長期金利の上昇を受けて金融株への物色もみられそうだが、メガバンク等はもともとボトム圏での推移が続いていたこともあり、自律反発が意識されるものの、上値追いの流れにはつながらないだろう。
その他、円相場はやや円安に振れて推移しているが、107円接近では戻り売り、105円接近では買い戻しといったレンジの中であり、一段の円安は考えづらいため、安心感程度にとどまりそうだ。
来週は海外での経済指標の発表も多いことあり、これらを見極めたいとする模様眺めムードも強い。
昨日はTOPIXリバランスやJPX400の定期入替えに伴うリバランス需給があったものの、売買代金は2兆円を下回る薄商いであるため、積極的な参加者は限られている状況である。
オーバーナイトのポジションを取りに行く向きは皆無だろう。