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米国株式市場見通し:景気指標や連銀総裁発言から利上げ時期を占う展開

発行済 2016-05-07 15:03
更新済 2016-05-07 15:33
米国株式市場見通し:景気指標や連銀総裁発言から利上げ時期を占う展開
先週の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月から大幅に減少し、雇用市場の回復鈍化が示された。
FF金利の先物取引から算出される利上げ確率は6月まで8%、9月まで35%、12月までは53%(6日時点)となり、6月の利上げ観測は大きく後退した。
一方で、4月の新車販売台数やISM非製造業景況指数は好調に推移しており、引き続き景気指標や地区連銀総裁の発言から利上げ時期を見極める展開が続くだろう。
経済指標では3月卸売在庫(10日)、4月輸入物価指数(12日)、4月小売売上高(13日)、4月生産者物価指数(PPI)(13日)などの発表が予定されている。
小売売上高は4月新車販売台数が低金利や燃料安を受けて好調だったほか、4月は営業日が前年より多かったことから前月からの改善が予想される。
1-3月期決算発表シーズンはピークを通過したが、今週はエンターテイメントのウォルト・ディズニー(10日)、百貨店のメーシーズ(11日)やJCペニー(13日)、アパレルのラルフローレン(12日)、製薬のバリアント・ファーマシューティカルズ(13日)などの決算発表が予定されている。
小売業界では先週アパレルのエアロポステールが経営破綻しており、今週のラルフローレンやメーシーズ、JCペニーなどの決算でも衣料品関連の売り上げ動向に関心が集まりそうだ。
また来週以降に小売大手の決算発表が多数予定されていることもあり、個人消費全般を占う上でも注目されるだろう。
米国株式相場には「5月に売って立ち去れ(Sell in May and go away)」という格言があるが、最近の学術研究でも統計的に11-4月の株価上昇率が5-10月を大きく上回っていることが指摘されている。
5月に短期的な高値を付ける傾向があるのは4月半ばが米国の個人確定申告の期限となっていることが一因だ。
確定申告期限までに個人退職年金(IRA)に投資資金を拠出すると節税効果があり、その多くが投資信託へと流入するからだ。
しかし、今年は欧州やアジアの主要株式相場の多くが年初から大幅下落となり、1-3月期決算の主要企業決算は低調、成長鈍化が嫌気されたアップルにも売りが広がっており、5月にかけて株価が大きく上昇する展開とはなっていない。
それでも、世界経済や米国の大統領選の先行きが不透明であることを考慮すると、格言通り5-10月にかけては慎重な姿勢で臨む必要があるだろう。
(Horiko Capital Management LLC)

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