日経平均<.N225> 日経平均先物9月限<0#2JNI:>
終値 8851.35 +53.57 終値 8870 +80
寄り付き 8802.25 寄り付き 8790
安値/高値 8751.29─8926.27 安値/高値 8750─8930
東証出来高(万株) 195469 出来高(単位) 47181
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[東京 29日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は3日続伸した。バーナンキ米
連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けた前週末の米株高を背景に買いが先行。日経
平均はおおむね8800円を維持するなど底堅い値動きだった。ただ、外為市場でドル/
円がやや円高方向に振れていることもあり、上値は限定的。後場には民主党代表選の投開
票で野田佳彦氏が選出されたことを受け、日経平均は上げ幅を縮めた。
東証1部騰落数は値上がり1156銘柄に対し値下がり355銘柄、変わらずが149
銘柄。東証1部の売買代金は1兆1891億円。
26日の米国株式市場は反発。バーナンキFRB議長によるジャクソンホールの講演で
景気てこ入れの具体策が示されなかったことから、講演直後はいったん株価が下落したも
のの、その後、9月20─21日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩和が検討さ
れるとの期待感が高まり、ハイテク株が上げを主導した。東京市場もこれを受け買い先行
となった。ただ、外為市場ではドル売り/円買い方向となり、前場の日経平均は上値を抑
えられ、おおむね8800円前半でもみあった。
コスモ証券本店法人営業部次長の中島肇氏は「海外勢の換金売りが継続して上値を抑え
ている。月末接近でもあり積極的にポジションを取りにくい。ただ日本株はすでにPBR
1倍割れの水準までオーバーシュートしている。下値をたたくような売りは出ていない」
と指摘する。前場の取引について薄商いながらも欧州勢による売りのほかTOPIX先物
売りといったフローが観測される。外為市場でドル/円が76円半ば付近へと再び円高に
振れていることから、積極的に買いにくいと邦銀系の株式トレーダーは話した。
後場に注目された民主党代表選は、海江田万里氏と野田佳彦氏の決選投票となり、野田
氏が新代表に決定、日経平均は伸び悩んだ。市場では「環太平洋経済連携協定(TPP)
への参加などに意欲的だった前原誠司氏の新代表選出が期待されていたが、決選投票に残
らなかったことで期待感がはく落した」(明和証券シニアマーケットアナリストの矢野正
義氏)との声が聞かれた。
国内大手証券トレーダーは「野田内閣になれば増税路線は避けられない」としたうえで
「デフレ下で増税となれば株価にはネガティブだ」と指摘する。別の大手証券の株式トレ
ーダーは野田氏選出なら主力株売りと観測していた。また「野田氏の選出を機にマーケッ
トでは債先買い・株先売りの動きが一部でみられたが、イベントドリブン型の短期的な取
引」(カブドットコム証券マーケットアナリストの山田勉氏)との見方もあった。
個別銘柄ではあおぞら銀行<8304.T>が反発した。豪フィナンシャル・レビュー紙がオー
ストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)
はあおぞら銀行の買収を検討していると報じ、材料視された。
また、ニプロ<8086.T>が後場に入り堅調だった。同社は29日、9月30日現在の株主
に対し、1対2の株式分割を実施すると発表した。効力発生日は10月1日。流動性の向
上などを材料視した買いが入った。
(ロイターニュース 杉山容俊)