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スウェーデン中銀が金利据え置き、景気減速も12月にマイナス解消へ

発行済 2019-10-24 19:29
更新済 2019-10-24 19:33
スウェーデン中銀が金利据え置き、景気減速も12月にマイナス解消へ

[ストックホルム 24日 ロイター] - スウェーデン中央銀行は24日、政策金利をマイナス0.25%に据え置いた。据え置きは予想通り。ただ、景気が減速しているにもかかわらず、中銀は12月に政策金利をゼロ%に引き上げ、ほぼ5年におよぶマイナス金利状態を解消する見通しを示した。市場では驚きが広がり、通貨クローナは急伸した。

中銀は、経済が予想以上のペースで減速していることを認めつつも、リセッション(景気後退)の兆しはなく、利上げしても金融政策は引き続き非常に緩和的と強調。インフレ率も、9月は中銀の目標を大きく下回るなど、中銀の予想に沿って推移しているとし「従来と同様、予想は、金利が12月にゼロ%に引き上げられることを示唆する」と声明で述べた。

そのうえで国内外の景気減速を踏まえると、12月の利上げ後は長期間、金利は据え置かれるとの認識を示した。

中銀は9月に年末か来年初に利上げする見通しを示していた。

発表を受けスウェーデンクローナは対ユーロ (EURSEK=)と対ドルで急伸。[nL3N2792AW]

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、デビッド・オクスリー氏はノートで「今回の比較的タカ派なスタンスは、国内経済の弱さや、主要国中銀が利下げしているという国外の状況とは一致しない」と指摘。中銀のマイナス金利を脱却したいという意向は、利下げで期待される景気支援効果以上に強いようだと述べた。

事前にロイターが実施したアナリスト調査では、24日は据え置きとの予想で一致。政策金利は、2021年にかけて維持されるというのが予想中央値となっていた。

<マイナス金利解消「今こそ」>

イングベス総裁は、マイナス金利となったのは、経済が異例な状況にあったためで、今や金利をゼロ%にする時期にきていると指摘した。

総裁は会見で「ここ数年、ある種の極端な政策をとったのは異例」とし、「景気見通しが改善すれば、マイナス金利を脱却する時で、今がその時だ」と述べた。

<政策正常化 遅きに失したとの声も>

スウェーデン中銀は、世界金融危機を受けて、最も早くマイナス金利を導入した中銀の一つだ。

しかし、異例な状態からの脱却は容易でなく、2011年半ば以降、景気が急拡大するなかでも利上げは1回のみ。中銀当局者やエコノミストの間では、マイナス金利が預金者や銀行、年金基金に及ぼす影響や、再び不況に見舞われた場合に政策対応余地がほとんどないことへの懸念が強まっていた。

アナリストの多くは、中銀も米連邦準備理事会(FRB)やイングランド銀行(英中銀)、ノルウェー中銀の利上げに追随し、もっと早く政策正常化に動くべきだったと指摘する。

ダンスケ銀行のアナリスト、マイケル・グラーン氏は、引き締め決定のタイミングは「理解不能」とし、「経済全般に中銀の想定以上に減速している。加えてインフレ率は中銀の目標をかなり下回っており、インフレ期待は低下している。また他の中銀の政策は逆方向だ」と指摘した。

*内容を追加しました。

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