[27日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨に対して上昇。感謝祭を控え薄商いとなる中、底堅い米経済指標を手掛かりにドルが買われた。
第3・四半期の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比2.1%増と、速報値の1.9%増から上方改定された。市場予想は1.9%増。在庫投資が予想以上に底堅かったほか、設備投資は落ち込みが緩むなど底入れの可能性を示唆した。また10月の耐久財受注は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比1.2%増と1月以来9カ月ぶりの大幅な伸びとなった。[nL4N2873QM][nL4N2873JU]
OANDA(トロント)のシニア通貨アナリストは「米連邦準備理事会(FRB)は年内の利下げ打ち止めを示唆しているが、きょうの統計はその裏付けとなった」と指摘。感謝祭を控えショート(売り持ち)ポジションの解消も見られたと述べた。
一方、10月の個人消費統計で、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア個人消費支出(PCE)価格指数が前月比0.1%の伸びにとどまったことで、ドルは伸び悩んだという。[nL4N2873HN]
主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.15%高の98.399。
ドル/円
ポンド/ドル
<債券> 国債利回りが上昇。10月の米耐久財受注統計が9カ月ぶりの大幅な伸びとなり、米経済の堅調さが示された。[nL4N2873JU]
TDセキュリティーズのシニア金利ストラテジスト、ゲンナディー・ゴールドバーグ氏は、これまで投資の弱含みがかなり懸念されており、指標は良い驚きだったと指摘。ただ、「これは最も不安定な指標の一つで、読み取るのは難しい」とも述べた。
国債価格は、10月の個人消費支出統計でインフレ率が引き続き緩やかだったことを受けて下げ幅を縮小した。[nL4N2873HN]
トランプ米大統領が26日、米中通商協議の「第1段階」合意が近いと発言したこともリスク選好度が改善した。
米10年債利回り (US10YT=RR)は1.760%。前日終盤の1.740%から上昇した。
米財務省はこの日、320億ドルの7年債入札を実施し、堅調な需要を集めた。
28日の米国債市場は感謝祭の祝日のため休場。
<株式> 続伸し、主要株価指数が連日で最高値で引けた。経済指標で国内景気の底堅さが示されたほか、米中通商協議に対する慎重ながらも楽観的な見方が引き続き投資家心理を支えた。感謝祭の祝日を前に、商いは薄かった。
米商務省が発表した第3・四半期の実質GDP改定値は年率換算で前期比2.1%増と、速報値の1.9%増から上方改定され、前期から伸びが加速。[nL4N2873QM] また、10月の個人消費支出は前月比0.3%増となり、第4・四半期も緩やかな経済成長が続くことを示唆する内容となった。[nL4N2873QM]
一般消費財株 (SPLRCD)は0.83%高で上げを主導した。
10月の耐久財受注統計でも、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が9カ月ぶりの大幅な伸びとなった。[nL4N2873JU]
個別銘柄ではボーイング (N:BA)が1.48%下落。米連邦航空局(FAA)は26日、同社の737MAX機について、今後はFAAのみが耐空証明を発行すると同社に通知した。過去には同社と共同で発行していた。[nL4N28709H]
来年の利益減少を警告した農業機械メーカーのディア (N:DE)も4.3%安となった。[nL4N23R3ZW]
28日は感謝祭で休場、29日は短縮取引となる。
<金先物> 米中貿易協議の進展期待を背景としたリスク選好の流れが継続し、下落した。中心限月2月物の清算値は前日比6.60ドル(0.45%)安の1オンス=1460.80ドル。
トランプ米大統領は26日、中国との貿易協議「第1段階」の最終合意が近いとの認識を改めて表明。米中両国は25日に閣僚級の電話会談を行っており、成果文書への署名に向けた前進があったとの楽観ムードが広がっている。こうした中、米株式市場ではダウ工業株30種平均などの主要指数が相次いで史上最高値を更新。この日も高値圏での推移が続き、安全資産とされる金塊を圧迫した。
また、朝方発表された米経済指標に良好な内容が目立ったことも弱材料。2019年7─9月期の実質GDP改定値が前期比2.1%増と、速報値(1.9%増)から上方修正されたほか、10月の耐久財受注も2カ月ぶりにプラスに転換した。これらを手掛かりに外国為替市場でドルがユーロなどに対して強含み、ドル建てで取引される金塊の割高感が増大した。
<米原油先物> 米エネルギー情報局(EIA)の週報で原油在庫が増加したことを嫌気し、3営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値は前日比0.30ドル(0.51%)安の1バレル=58.11ドルとなった。2月物は0.27ドル安の58.05ドルとなった。
EIAが午前発表した週間在庫統計では、原油在庫が前週比160万バレル増と、市場予想の41万8000バレル減に反して積み増しとなった。また、ガソリン在庫が前週比510万バレル増と大幅な積み増しとなったことも嫌気され、売りが広がった。ただ、米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが午後公表した1週間の米石油掘削リグ稼働数が前週比3基減の668基となったことで、下げ幅を縮めた。
ドル/円 NY終値 109.55/109.56
始値 109.11
高値 109.60
安値 109.12
ユーロ/ドル NY終値 1.0998/1.1000
始値 1.1008 (EUR=)
高値 1.1013
安値 1.0993
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 104*02.00 2.1894% (US30YT=RR)
前営業日終値 104*10.00 2.1780%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.00 1.7671% (US10YT=RR)
前営業日終値 100*03.00 1.7400%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*12.50 1.6275% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*18.63 1.5880%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.13 1.6259% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*26.63 1.5860%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 28164.00 +42.32 +0.15 (DJI)
前営業日終値 28121.68
ナスダック総合 8705.18 +57.24 +0.66 (IXIC)
前営業日終値 8647.93
S&P総合500種 3153.63 +13.11 +0.42 (SPX)
前営業日終値 3140.52
COMEX金 12月限 1453.4 ‐6.9
前営業日終値 1460.3
COMEX銀 12月限 1691.2 ‐13.3
前営業日終値 1704.5
北海ブレント 1月限 64.06 ‐0.21 (LCOc1)<0#LCO:>
前営業日終値 64.27
米WTI先物 1月限 58.11 ‐0.30 (CLc1)<0#CL:>
前営業日終値 58.41
CRB商品指数 180.3472 ‐0.7525 (TRCCRB)
前営業日終値 181.0997
*債券の情報を追加しました。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191127T221546+0000