[23日 ロイター] - <為替> 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが小幅上昇した。米連邦準備理事会(FRB)がこの日、新型コロナウイルスの対策として無制限の量的緩和(QE)を行う方針を決定したものの、市場では企業への影響緩和を目的とした財政刺激策の行方を注視している。
FRBはこの日、緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、新型コロナウイルスへの対応として無制限のQEを行う方針を決めた。米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を必要なだけ買い取ることを全会一致で決定した。
この発表を受け、ドルは一時急落したが、市場の関心が政府の財政政策に移ると徐々に下げ幅を縮めた。
TDセキュリティーズのシニア外為ストラテジスト、マゼン・イッサ氏は政府の刺激策について「財政的な手段は今後もあることを考える必要がある」とし、「自宅待機や給与を受け取れない人のことを考えねばならず、そういう人たちに行き届くように時間をかけている。ただ、スピードを上げる必要がある」と述べた。
米上院は22日、1兆ドル超の新型コロナ対策法案の採決に向けた動議を否決。民主党の反対で、可決に必要な60票(議席数100)の支持が得られず、手続き上のハードルをクリアできなかった。民主党は医療対策や州・地方当局向けの資金の増額を要求している。
<債券> 米金融・債券市場では国債利回りが低下し、2年債は7年ぶりの水準まで下げた。 米連邦準備理事会(FRB)が無制限の量的緩和(QE)を行う方針を決定したものの、安全資産である国債への買いが続いた。
FRBはこの日、緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、新型コロナウイルスへの対応として無制限のQEを行う方針を決めた。米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を必要なだけ買い取ることを全会一致で決定した。
ただ、市場では警戒感が根強く、金融政策の変化にとりわけ敏感とされる2年債利回り (US2YT=RR)が0.234%と、2013年5月以来の水準まで低下。終盤は7.4ベーシスポイント(bp)低下の0.292%だった。
BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、ジョン・ヒル氏は「結局、今日のFRBの発表は市場機能における流動性強化だが、既に迫りくる経済的な惨事を防ぐことはできない」と述べた。
10年債利回り (US10YT=RR)は19.9bp低下の0.739%。30年債利回り (US30YT=RR)は25.9bp低い1.303%。同利回りは今月9日に付けた過去最低水準を大きく上回っている。
<株式> 米国株式市場は大幅安で取引を終えた。新型コロナウイルスの急速な感染拡大により米国内では移動制限措置が広がっており、米連邦準備理事会(FRB)による無制限の量的緩和(QE)発表の影響は限定的だった。
ダウ平均 (DJI)とS&P500 (SPX)はともに約3%安。S&P500は前月付けた最高値から9兆ドルの価値を消失している。
一方、アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)が3%高と、逆行高となったことで、ナスダック (IXIC)は0.27%安の小幅な下落にとどまった。
FRBは同日、緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、新型コロナへの対応として、無制限のQEを行う方針を決定。米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を必要なだけ買い取る。FRBは15日に1%の緊急利下げを行い事実上のゼロ金利を導入したほか、7000億ドル規模の債券買い取りを復活したばかり。
FRBによる異例の措置を受け、米株価は寄り付き前の取引で一時上昇。しかし、新型コロナ感染症による死者増加や相次ぐ移動制限を嫌気し、株価は通常取引時間に入り下げに転じた。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米連邦準備理事会(FRB)の追加量的緩和を受けて買われ、大幅続伸した。
FRBは23日朝方、臨時の連邦公開市場委員会(FOMC)で米国債などの資産を「必要な量」買い入れることを決めたと発表した。無制限の量的金融緩和により市場への資金供給を強化する異例の措置を受けて、金利を生まない資産である金が急速に買い進まれた。
また、外国為替市場ではFRBの追加金融緩和を受けて対ユーロでドル安が進行。ドル建てで取引される金塊などの商品の割安感につながり、金の買いを後押しした。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、先週末に18年ぶりの安値を付けたことによる割安感から買われ、上昇した。
新型コロナウイルスの感染封じ込めのため、欧米で外出制限や国境の一時封鎖などが拡大。経済活動の縮小がエネルギー需要の減少を招くとの懸念から原油価格は低迷している。主要産油国のサウジアラビアとロシアが対立し、互いに増産姿勢を示したことが原油価格下落に拍車を掛けている。
23日は割安感から買いが先行したが、 新型コロナ拡大への懸念が根強く、上値は重かった。
ドル/円 NY終値 111.20/111.23
始値 110.64
高値 111.59
安値 109.84
ユーロ/ドル NY終値 1.0721/1.0725
始値 1.0690 (EUR=)
高値 1.0827
安値 1.0667
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 116*15.50 1.3299% (US30YT=RR)
前営業日終値 110*14.00 1.5620%
10年債(指標銘柄) 17時05分 107*00.50 0.7626% (US10YT=RR)
前営業日終値 105*09.50 0.9380%
5年債(指標銘柄) 17時05分 103*16.25 0.4063% (US5YT=RR)
前営業日終値 102*30.25 0.5200%
2年債(指標銘柄) 17時05分 101*17.63 0.3203% (US2YT=RR)
前営業日終値 101*14.88 0.3660%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 18591.93 -582.05 -3.04 (DJI)
前営業日終値 19173.98
ナスダック総合 6860.67 -18.84 -0.27 (IXIC)
前営業日終値 6879.52
S&P総合500種 2237.40 -67.52 -2.93 (SPX)
前営業日終値 2304.92
COMEX金 4月限 1567.6 +83.0
前営業日終値 1484.6
COMEX銀 5月限 1326.1 +87.6
前営業日終値 1238.5
北海ブレント 5月限 27.03 +0.05 (LCOc1)<0#LCO:>
前営業日終値 26.98
米WTI先物 5月限 23.36 +0.73 (CLc1)<0#CL:>
前営業日終値 22.63
CRB商品指数 124.7133 +0.8286 (TRCCRB)
前営業日終値 123.8847 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200323T222036+0000