By Noreen Burke
Investing.com - 今週の主な焦点は10日(水)のFOMC(連邦公開市場委員会)である。
また、新規失業保険申請件数、消費者物価指数(CPI)、ミシガン大学消費者信頼感指数などが今週注目される経済指標だろう。
ポジティブサプライズとなった雇用統計を受け米国債は売られており、イールドカーブは3月以来で最もスティープ化(傾斜化)している。
ユーロ圏に関しては、本日午後10時45分からラガルドECB総裁による発言が予定されており、景気底打ちの見方を示すか注目だ。
- FOMC(連邦公開市場委員会)
パウエルFRB議長は戦後最悪だった4月の雇用統計の後で、1年以上経済が景気後退の状態が続く可能性を示していた。
先週金曜日に発表された5月米雇用統計はポジティブサプライズとなった後で、今回の FOMCはどのような経済見通しを示すかが市場の目が注がれている。
5月の米雇用統計は新型コロナウイルスによる影響からの回復を示唆するものとなり、株式の上昇と国債の売りが加速している。
- イールドカーブのスティープ化(傾斜化)
先週の5日に発表された米雇用統計が予想外の良い結果だったことを受けて、米国債が売られイールドカーブは傾斜化している。
イールドカーブの傾斜化は経済見通しが明るい可能性を示唆しているが、借入コストの上昇が早すぎると景気回復の足かせになりかねない。
FOMCではイールドカーブ・コントロール(YCC)に踏み切る可能性がある。しかしファンドマネージャーは、イールドカーブの介入には、利回りが大幅に上昇する必要があるという見方を示している。
- 米国の経済指標
米雇用統計の後で、今週の 新規失業保険申請件数、 消費者物価指数(CPI)、 ミシガン大学消費者信頼感指数などによって経済情勢の最新の動向を掴むことが出来るだろう。
米国の新規失業保険申請件数は3月下旬に680万を記録したが、それ以降は減少しており、先週は3月中旬以来初めて200万件を下回った。米雇用統計の強気サプライズを、後押しするかどうか注目だろう。
一方、消費者物価指数(CPI)やミシガン大消費者信頼感指数(速報値)で消費動向の最新情報をつかめるだろう。小幅な改善が予想されているが、ポジティブサプライズとなれば景気のV字回復への期待を一層強めることになるだろう。
- ラガルドECB総裁の発言、ユーロ圏の経済指標
ラガルドECB総裁は本日、欧州議会公聴会に出席する。資産購入枠を6000億ユーロ拡大し1兆3500億ユーロとし、買い入れを少なくとも来年6月末まで続けると表明し、今回の証言でではその理由について問われるだろう。
経済指標では、本日のドイツの4月鉱工業生産指数は前月比-17.9%となり過去最大の落ち込みとなった。ユーロ圏最大の経済大国であるドイツは、ロックダウン規制が緩和されているとはいえ、コロナウイルスの大流行の影響を受け第二次世界大戦以来の深刻な景気後退に直面している。
- 中国の成長懸念
7日に発表された中国の貿易統計は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の停止によって需要が低迷していることが示された。
また22日開幕した全国人民代表大会では、例年発表していた経済成長率の目標の発表を見送っている。新型コロナウイルスの影響の他、米中貿易戦争は再び加熱する懸念もあり、中国経済の回復の見通しは極めて不透明である。
--Reuters contributed to this report