By Noreen Burke
今週は8月米雇用統計の発表が注目だ。また、パウエルFRB議長は先週に金融政策の新たなアプローチを表明後、市場は今週FOMCメンバーの発言にも注目している。S&P500は34年間で最もパフォーマンスが良い8月となる一方、ダウは31日から新たな銘柄が指数に加わることになる。今週の経済指標では、ユーロ圏や中国も注目されるだろう。今週のスタートを切るために、抑えておきたいポイント5選をとりあげる。
8月の非農業部門雇用者数
米新規失業保険申請件数は100万件前後であり、景気の回復が失速しているとの懸念から、4日の米雇用統計では不安視されている。
市場予想では8月は140万人増で、7月の176万人からわずかに減少するとされている。また失業率は前月10.2%から9.8%という予想である。
しかし、一部のアナリストは新型コロナウイルスの新規患者が増加しているなか、最近の軟調な消費者信頼感が示されたあと、雇用統計が予想よりも弱くなる可能性があるとしている。
米雇用統計に先立ち、3日の週次の新規失業保険申請件数にも注目である。
FOMCメンバーの発言
先週に発表された、経済と労働市場の回復を強化するためにインフレ率が目標を超えても金利をゼロに近づけるというFRBの新戦略の上で、今週は3人のFOMCメンバーから話を聞く機会がある。
リチャード・クラリダFRB副議長は31日にFRBの新しい金融政策の枠組みについてスピーチを行う予定である。また、8月1日にはブレナードFRB総裁の講演、2日にはニューヨーク連銀のジョンウィリアムス総裁の講演が行われる。
FRBは9月15日から16日に開催される予定の次回のFOMCの前に、4日の深夜にブラックアウト期間に入る。
NYダウ平均構成銘柄を入れ替え
28日、S&P 500はアマゾン(NASDAQ:AMZN)、マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)とアップル(NASDAQ:AAPL)に牽引され、史上6番目の高値となる終値となった。
エコノミストは今四半期の成長率が急回復すると予想しているが、景気の回復が鈍化している兆候が強まっており第4四半期の予想は縮小とみている。
S&P 500は34年中最大の上昇率となる8月になるとみられ、インフレ率が上昇しても金利をゼロに近づけるとのFRBの公約を受けて、株価は好調な状態で9月を迎えることになると考えられる。
またNYダウは31日、セールスフォース(NYSE:CRM)、ハネウェル(NYSE:HON)、アムジェン(NASDAQ:AMGN)が加わり、ファイザー(NYSE:PFE)、エクソンモービル(NYSE:{7888|XOM})、レイセオン(NYSE:RTN)外れる。
ユーロ圏の回復
1日のユーロ圏の消費者物価指数(8月)は微増、同日の失業率も微増すると予想されている。
4日のドイツ製造業新規受注(7月)は、回復ペースは鈍化と予想されている。
また、ルイス・デ・ギンドスECB副総裁、フィリップ・レーンチーフエコノミスト、イェンス・ヴァイドマン総裁とクラース・ノットECB理事による発言があり、それらも注目されるだろう。
中国PMI
31日と8月1日に中国のPMI(8月)の発表がある
31日の製造業PMIは51.2、1日のCaixin製造業PMIは7月の52.8から52.7と予想されている。
製造業の活動は着実に新型コロナウイルスからの影響から回復している事がうかがえる。
中国は堅調な需要、景気刺激策に基づくインフラ、好調な輸出が回復の主な要因となっているが、個人消費は消費者が支出に慎重な姿勢であり伸び悩んでいる。