By Noreen Burke
Investing.com -- クリスマスホリデー前の最後の週の今週は、材料も多く目が離せない一週間となりそうだ。米国では新型コロナウイルスのワクチンの接種が14日にも開始される予定である。先週11日ではテスラがS&P500に採用されることが決定した。また、13日には英国と欧州連合(EU)が自由貿易協定(FTA)締結交渉の継続で合意した。本記事では今週を乗り切るために必要なポイント5選を取り上げる。
米国でワクチン接種開始
米食品医薬品局(FDA)は11日に米ファイザーと独BioNTechが開発した新型コロナウイルスに対するワクチンの緊急使用許可を出した。
13日より最初の290万回分の配送が始まり、今週14日にも接種が始まる見通しである。ワクチンの接種は、まず医療関係者や高齢者ら長期療養施設入所者などを優先するとされている。
その他近日中にワクチンの緊急承認される可能性があるのは、モルデナ(NASDAQ:MRNA、アストラゼネカ(NASDAQ:AZN)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(NYSE:JNJ)などがある。
米国ジョンズ・ホプキンス大の13日時点の集計によると、米国内の累計感染者数は1600万人以上となっている。
米追加経済対策
米上院は11日、連邦政府の2021年度の暫定予算(つなぎ予算)の期限を18日までに延長する法案を全会一致で可決した。11日が現行予算の期限で、政府機関が一部閉鎖するリスクがあった。2018年12月では与野党の交渉が紛糾した末に連邦予算が失効し、史上最長の政府閉鎖が起こっている。
議会与野党は、18日までに2021会計年度本予算や追加経済対策を巡る交渉が行われる。
民主党のペロシ下院議長は10日、追加経済対策を巡る協議がクリスマス後の26日まで長引く可能性を示している。
現在のところ、パンデミック失業支援(PUA)やパンデミック緊急失業補償(PEUC)を合わせた受給者数約1300万人は、12月26日に失効する見通しである。
FOMC
今週15-16日、米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合が開かれる。今回の会合では、現行の金融緩和策の長期化について議論される見込みである。
11月の米雇用統計では、労働市場の回復の鈍化が見られ、先週発表の米失業保険申請件数は予想大幅に上回る85.3万件となった。これは9月以来最大の水準である。
今回のFOMCでは米追加経済対策の決定時期が不透明であるため、追加緩和を巡る是非が市場参加者の間で割れており、発表直後のマーケットはボラティリティが加速することが予想される。
テスラがS&P500に採用
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは11日、S&P500種指数にテスラを採用することを発表した。一方、アパートメント・インベストメント・アンド・マネジメント(AIV)が除外される。11日のテスラ株は2.7%安となった。
テスラは現在時価総額は約6000億ドル、株価は年初来600%の上昇となっている。
テスラの株価についてはウォール街においても見方は大きく割れており、ゴールドマンサックスの目標株価は780ドルなのに対し、JPモルガン・チェースは90ドルとなっている。
英国とEU、通商交渉継続へ
英国と欧州連合(EU)は13日、ジョンソン英首相と欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が電話会議を行い、さらなる協議継続で合意した。
一方、交渉がいつまで続くかは言及されておらず、EU離脱移行期間の期限である12月31日は迫っている。
通商合意がないまま2021年を迎えることになれば、1月1日から世界貿易機関(WTO)の条件に基づく通商取引に移行することになる。関税が復活するため、製品の価格上昇やサプライチェーンの混乱が見込まれる。
17日には、イングランド銀行(英中央銀行)のMPC(英金融政策員会)が行われる。17日までに何も合意に至らない場合、11月では新たな景気刺激策として債権購入プログラムを1500億ポンド拡大すると発表しているが、同行はさらなる景気刺激策やマイナス金利導入について焦点を当てる必要がでてくるだろう。