[博鰲(ボアオ) 20日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は20日、「博鰲アジアフォーラム」年次総会で、金融機関に可能な限り早期にグリーン金融への移行を促し、同国の炭素中立目標の達成を支援する方針を示した。
習近平国家主席は、温室効果ガス排出量を2030年までに減少に転じさせ、60年までに排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。
易総裁は「金融機関にできるだけ早い移行を促していく」と述べた。
総裁によると、人民銀行は環境に配慮した金融事業への移行について奨励措置を講じ、温室効果ガス削減につながる融資を拡大させる新たな措置を発表する方針。
商業銀行の格付け、預金保険料率、マクロプルーデンシャル評価を通じてグリーン金融支援を強化する。
人民銀行は気候変動が中国の金融の安定や金融政策に及ぼす影響を評価し、金融セクターのストレステスト(健全性審査)で気候変動も検討項目とする。
外貨準備において環境債の比率を高め、環境負荷の大きい資産への投資を管理する方針。
グリーン金融の基準を策定し年内の公表を目指す。これにより、海外投資家が中国のグリーン金融市場に参入しやすくする。
易総裁は、中国でグリーン金融を発展させる上で、一部企業の環境関連情報開示が不十分といった課題もあると指摘した上で、金融セクターの開放を進め、外国金融機関の事業範囲を広げていくと述べた。