[東京 14日 ロイター] - 出光興産は14日、出資している西部石油の山口製油所(山口県山陽小野田市)の精製機能を2024年3月をめどに停止すると発表した。人口減少や脱炭素の流れを受けて国内の石油製品需要は今後も減少が見込まれるため、製造・供給体制の見直しが不可欠と判断した。
丹生谷晋副社長は会見で「国内の石油製品需要の減少スピードは従前の予想よりも速まっている」と指摘。2030年までにグループで30万バレルの精製能力が余剰になるという。山口製油所の精製機能を停止することで12万バレル削減されるため、30年までにさらに18万バレルの削減余地がある。同副社長は「30年までの30万バレル削減で終わりではない」とも述べ、30年以降もさらなる精製能力削減が必要になるとの見方を示した。
足元で77%の製油所の平均稼働率は、山口製油所の精製機能停止後は90%に上昇するという。
3月末時点で38%出資だった西部石油については、66.9%まで株式保有を増やし子会社化した。取得価格は非開示。今後、同社の完全子会社化を目指す。
精製機能停止後も当面の間、油槽所機能、備蓄事業、ソーラーパネル発電事業を継続するとともに脱炭素関連などの新規事業開拓も検討しいていく。
現時点では、業績への影響は軽微と見込んでいる。