[シントラ(ポルトガル) 28日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏の高債務諸国の借入コスト抑制に向けた債券買い入れの影響を相殺するため、銀行システムからキャッシュを吸収する可能性が高い。関係筋2人がロイターに明らかにした。
ECBはユーロ圏全体の借入コストを引き上げると同時に、一部の脆弱な加盟国の借入コストを抑制するという難しい立場に置かれている。
関係筋によると、ECBは債券買い入れと銀行が通常の預金金利よりも有利な金利でECBにキャッシュを預けることができるオークションを組み合わせる、新たなスキームを検討している。
これによって、10年前に行われた週次流動性吸収オペのように、新しいスキームの下で債券買い入れの「不胎化」ができる。
ECBの広報担当者はコメントを控えた。
ユーロ圏諸国間の金融分断(フラグメンテーション)を防ぐことを目的とした新スキームは、7月21日に開催されるECB理事会で公表される見通し。
詳細は調整中だが、受益国には欧州委員会の経済勧告を順守するよう求めるなど、緩やかな縛りが付く見込みだ。