[アトランタ 3日 ロイター] - 米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は3日、世界のサプライチェーンや人口動態の変化、貿易関係の分断によって、将来のインフレ動向が一段と不安定となる可能性があり、連邦準備理事会(FRB)や他の中銀はそうした状況への対応を迫られることになるという認識を示した。
企業がコスト高だがより安定した供給源にシフトするなど、コロナ禍中に生じた世界経済における変化が常態化することになれば、短期的なインフレ圧力がこれまで以上に影響を受ける公算が大きいと指摘。そうなれば「短期的な衝撃を見抜くことが一段と困難になるだろう。緩やかなペースでの利上げによる効果は弱まり、市場機能への介入を幾分複雑にする恐れがある」とし、中銀はインフレ期待を安定させるために「近年のパターン以上に金融引き締めサイクルが必要となる可能性がある」と述べた。
バーキン総裁は「パンデミック(世界的大流行)がどのように展開するか分からない状況において、長期的な風向きの変化を宣言したくない。ディスインフレの力を決して軽視することはできない」と述べた。
その上で「過去10年間、FRBの物価安定および最大雇用の目標は政策決定において矛盾することはなかった。そのため、政策決定について比較的容易に説明することが可能だった」とし、そうした状況が変化すれば「経済成長と最大限の雇用には物価安定が必要で、FRBはインフレの『突風』への対処に引き続き尽力することを明確にする必要がある」と述べた。