[東京 14日 ロイター] - 西村康稔経済産業相は14日の閣議後会見で、極東の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン1」の事業を移管する新会社設立を命じるロシア首相名の政令が前日公表されたことについて、新会社が既に設立されたかも含め「詳細な手続きや条件を確認している」と述べた。外国の出資者は設立から1カ月以内に、新会社への参加に同意するかを通知するよう求められている。
サハリン1の権益は米石油大手エクソンモービルと、官民で作る日本のサハリン石油ガス開発(SODECO)がそれぞれ30%、ロシア国営の石油大手ロスネフチの子会社、インドの石油天然ガス公社がそれぞれ20%権益を保有する。経済産業省はSODECOに50%を出資している。
日本もSODECOとしての判断が求められるが、西村経産相は事実関係を確認をしながら関係者と協議を行い、今後の具体的な対応を検討する意向を示した。
原発の運転期間延長に関して、西村経産相は資源エネルギー庁の審議会で運転期間のあり方や必要となる制度整備について議論しているとして、「現時点で具体的な方針が決まっているわけではない」と述べた。
「原子力の安全確保を巡っては、引き続き原子力規制委員会が厳格な規制の大前提の下で、年末に具体的な結論を出せるよう、利用政策の観点から検討を深めていきたい」とした。
岸田文雄首相は8月に実施された脱炭素社会に向けた戦略を協議する「GX実行会議」で、原発の運転期間の延長などの検討を加速するよう指示し、年末までに具体的な結論を出すよう求めている。