[リヤド 15日 ロイター] - サウジアラビア最大の銀行サウジ・ナショナル・バンク(SNB)のアンマル・アルフダイリー会長は15日、海外で特定の機会は検討しておらず、国内の事業拡大に注力していると述べた。
SNBは昨年、クレディ・スイスの株式約10%を取得した。
会長はサウジの首都リヤドで開催された金融セクター会議の合間にロイターのインタビューに応じ、「現時点で、特定の機会について検討していない」と明言。
「過去12カ月間、サウジアラビアは最もエキサイティングな市場の一つとなってきた。この追い風を受ける経済から最大の価値を引き出すために、ここでやるべきことは多くある」と語った。
サウジ経済は新型コロナウイルス禍からの回復が進み、昨年の成長率は8.7%を記録。SNBの2022年決算は営業利益の増加や減損費用減少を背景に純利益が47%近く増加した。
会長は国内でリテール事業を拡大するとともに、民間セクターと政府主導のギガプロジェクトの両方に全国的に資本を投入していきたいと述べた。
また、昨年は湾岸地域の新規株式公開(IPO)が好調だったが、今年は市場のボラティリティー拡大で勢いが鈍る可能性があると指摘。その上で、サウジで予定されるIPOは健全な水準を維持していると語った。