[フランクフルト 31日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が31日発表した8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年同月比5.3%と、7月と同水準で、予想の5.1%を上回った。
一方、食品やエネルギーなど変動の激しい項目を除くコアインフレ率は5.3%と、7月の5.5%から予想通り鈍化した。
欧州中央銀行(ECB)は9月14日の理事会で利上げを停止するか最後となる可能性が高い追加利上げを実施するかを議論する。
注目度の高いサービス価格の上昇率は5.5%で高止まりしている。7月は5.6%だった。
同じく注目度の高い非エネルギー工業品の価格上昇率は5%から4.8%に鈍化した。
加工食品は11.3%から10.4%に鈍化。エネルギー価格は6.1%から3.3%に鈍化した。
欧州中央銀行(ECB)の政策対応についてエコノミストの見方はまちまちで、すでに発表した予想の変更はみられなかった。
コメルツ銀行のエコノミストは、「基調的な物価上昇圧力は緩和を続けている。9月の理事会で追加利上げは予想していない」と述べた。
一方でS&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスは、9月の追加利上げの可能性は高まったと指摘。「ただ決定的というには程遠く、急速に悪化する経済背景は理事会ハト派に一時停止を主張する十分な材料を与えるだろう」との見方を示した。