[1日 ロイター] -
<為替> ドルが対ユーロ・対円で上昇した。8月の雇用統計は、一部で労働市場軟化の兆しが見られたものの、依然として堅調であることを示した。
非農業部門雇用者数は18万7000人増加。ロイターがまとめたエコノミストの予想17万人増を上回った。一方、失業率は3.8%で7月の3.5%から上昇。平均時給は前月比0.2%上昇と、伸びは22年2月以来の小ささとなった。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏は「今日の雇用統計は投資家にとって最高の結果をもたらした。労働市場は米連邦準備理事会(FRB)に利上げを停止させるに十分なほど軟化していると同時に、景気後退を防ぐのには十分なほど堅調だ」と指摘した。
ドル指数は0.58%高の104.23。週間では0.08%上昇している。
ユーロは0.59%安の1.0779ドル。週間では0.13%下落した。
ドル/円は0.42%高の146.145円。一時は8月11日以来の安値となる144.44円まで下落する場面があった。
CMEのフェドウオッチによると、フェデラルファンド(FF)金利市場では、FRBが9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利を据え置く可能性を93%、11月の利上げの可能性を36%とみている。
また市場は、欧州中央銀行(ECB)が9月理事会で金利を据え置く可能性を79%と見ている。
<債券> 国債利回りが上昇した。8月雇用統計はまちまちの結果となり、祝日を控えた投資家がポジションを縮小した。
4日はレーバーデーのため、米債券市場は休場となる。
米労働省が1日発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は予想以上に増加したものの、失業率は悪化し、賃金の伸びは鈍化した。労働市場の逼迫緩和を示唆し、米連邦準備理事会(FRB)が今月、利上げを見送るとの見方が強まった。
ジェフリーズの米国エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は、一見したところ雇用者数の増加と労働力人口の拡大は「少しタカ派的」だったとしながらも、この数字が9月利上げの可能性を高めるとは言い切れないと指摘。祝日を控えた薄商いの中、動きが少し誇張されているとの認識を示した。
午後の取引では、金利期待を反映しやすい米2年債利回りは4.866%と横ばいだった。
指標となる10年債利回りは8.6ベーシスポイント(bp)上昇し4.176%となった。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス68.90bp。一時はマイナス67.10bpとなった。
CMEのフェドウオッチによると、フェデラルファンド(FF)金利市場では、11月と12月の追加利上げの可能性がそれぞれ36.1%、33.2%に一段と低下した。前週には双方とも50%を超えていた。
<株式> 1日 ロイター] - 米国株式市場は、S&P総合500種とダウ工業株30種が上昇して終了した。8月の雇用統計で失業率が上昇したことを受け、米連邦準備理事会(FRB)は今月の会合で利上げを一時停止するとの見方が一段と強まった。
一方、メディア・娯楽大手ウォルト・ディズニーと ケーブルテレビ大手チャーター・コミュニケーションズの料金トラブルによりストリーミング配信会社が急落したことで、ナスダック総合はマイナス圏で引けた。
労働省が朝方発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は18万7000人増と、予想以上に増加。一方、失業率は3.8%と、7月の3.5%から上昇し、2022年2月以来の高水準となった。
今回の結果で米連邦準備理事会(FRB)がインフレとの戦いに勝利していると改めて示され、利上げサイクルは終了に近づいているとの見方が一段と裏付けられた。GLOBALTインベストメンツ(アトランタ)のポートフォリオ・マネージャー、キース・ブキャナン氏は「今回の雇用統計は、FRBがハト派姿勢を強める根拠になる」とし、「利上げサイクルの終了が早まれば、株価は大幅に上昇する可能性がある」としている。
FRBは今月19─20日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催。CMEフェドウオッチによると、今回の会合で金利据え置きが決定される確率は93%になっている。
ウォルト・ディズニーは2.4%安、チャーター・コミュニケーションズは3.6%安。売りは他のストリーミング関連銘柄にも広がり、メディア大手のワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー(WBD)は12%、パラマウント・グローバルは9.5%、フォックス・コープは約6%、それぞれ下落した。
電気自動車(EV)大手テスラは5%安。売買高は326億ドルと、S&P総合500種採用銘柄の中で最も多かった。テスラはこの日、セダン「モデル3」の航続距離の長い改良版を中国、欧州、中東、オーストラリア、日本で発表した。
半導体大手ブロードコムは5.5%安。前日発表の第4・四半期(8─10月)の売上高見通しは市場予想を小幅に下回った。
一方、デル・テクノロジーズは21%と急騰。前日発表の第2・四半期決算(8月4日まで)は、人工知能(AI)ブームの恩恵を受けたほか、コンピューターハードウエアとサーバー製品に対する安定的な需要が寄与し、売上高が市場予想を上回った。
S&P総合500種の11業種のうち、6業種が上昇。エネルギーが2.05%と、最も大きく上げた。
週足ではS&P総合500種が2.50%、ダウ工業株30種が1.43%、ナスダック総合が3.25%上昇。
商いは比較的薄く、米取引所の合算出来高は89億株。直近20営業日の平均は104億株。
S&P500は値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.1対1の比率で上回った。
米株式市場は来週4日はレーバーデーの祝日のため休場となる。
<金先物> 米賃金上昇率の鈍化を背景に長期金利が一時低下したことを受け小反発した。中心限月12月物の清算値は前日比1.20ドル(0.06%)高の1オンス=1967.10ドル。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 世界的な需給逼迫(ひっぱく)観測の強まりを受け、7営業日続伸した。米国産標準油種WTI10月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.92ドル(2.30%)高の1バレル=85.55ドル。中心限月ベースでは昨年11月中旬以来9カ月半ぶりの高値となった。11月物は1.79ドル高の84.75ドル。
ドル/円 NY終値 146.23/146.26
始値 145.43
高値 146.3
安値 144.45
ユーロ/ドル NY終値 1.0773/1.0777
始値 1.0844
高値 1.0881
安値 1.0773
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*03.50 4.2974%
前営業日終値 98*21.00 4.2040%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*17.00 4.1808%
前営業日終値 98*08.00 4.0910%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*11.25 4.2958%
前営業日終値 100*19.00 4.2420%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*07.38 4.8764%
前営業日終値 100*08.50 4.8590%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34837.71 +115.80 +0.33
前営業日終値 34721.91
ナスダック総合 14031.82 -3.15 -0.02
前営業日終値 14034.97
S&P総合500種 4515.77 +8.11 +0.18
前営業日終値 4507.66
COMEX金 12月限 1967.1 +1.2
前営業日終値 1965.9
COMEX銀 12月限 2456.2 ‐25.0
前営業日終値 2481.2
北海ブレント 11月限 88.55 +1.72
前営業日終値 86.83
米WTI先物 10月限 85.55 +1.92
前営業日終値 83.63
CRB商品指数 284.3591 +2.4536
前営業日終値 281.9055