[ワシントン 13日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は13日、2022年の世界の債務残高は対国内総生産(GDP)比で238%となり、2年連続で低下したと発表した。21年は248%、20年は258%だった。
22年と21年に大幅に低下したのは、力強い経済成長と予想を上回るインフレが要因。ただ、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による世界債務の増加分の3分の2程度しか取り戻せていない。債務比率は依然、19年の229%を大きく上回っている。
中国はここ数十年、借り入れが経済成長を上回り、債務が膨張している。世界的な縮小傾向と逆行し、22年には272%と21年の265%から増えた。
米国は22年に274%と、21年の284%から低下した。
最近の3年間は、世界は債務がいったん上昇後に低下する「ジェットコースター」のような動きを示していた。ただ、債務は中期的に再び増加する可能性が高く、IMFは各国政府に対して公的債務、家計債務、非金融企業債務のいずれでも債務の脆弱性を和らげる戦略を実施するように促した。
IMFは「世界債務が今後再び増え始めれば、パンデミック以降の債務のジェットコースターは、長期的な上昇傾向から一時的に逸脱したものに過ぎなくなるだろう」とも指摘した。