Stella Qiu
[シドニー 15日 ロイター] - 豪準備銀行(中央銀行)初の女性総裁にミシェル・ブロック現副総裁が18日に就任する。インフレが鈍化する中で雇用は堅調で、経済もプラス成長を維持する中での交代となる。
豪中銀は積極的な引き締めを1年以上続けた後、直近3カ月は利上げを見送っている。市場はブロック氏が総裁就任後初めてとなる10月の理事会で金利を据え置くと予想しており、最初の政策変更は利下げになるとの見方も一部で出ている。
ただ、同氏は追加利上げの可能性にも言及している。8月下旬に豪インフレ率について「低下しているが、なお高すぎるため、インフレを目標まで低下させることに注力するのが依然として最優先課題だ」と述べた。
これまでの引き締めで豪経済は減速したものの、アナリストはソフトランディング(軟着陸)がなお可能とみている。
EYオセアニアのチーフエコノミスト、シェレル・マーフィー氏は「中銀はこれまでに講じた措置でインフレを目標に戻せるだろう」と指摘。物価と賃金のスパイラル的上昇やインフレ期待上振れのリスクは残るものの「全てがほぼ計画取りに進んでいるようだ」と述べた。
ブロック氏は理事会メンバーによる講演実施や政策決定後の総裁会見など中銀改革に関する提言を実行に移す役割も担う。