Yoruk Bahceli
[27日 ロイター] - 今年の欧州国債市場では、投資家が取引の規模を縮小しながら回数を増やすことを強いられており、背景には急激な金融引き締めに伴う流動性の低下がある――。国際資本市場協会(ICMA)は27日公表したリポートでこう指摘した。
本来なら最も安全な資産とみなされる国債はたやすく売買されるはずだ。しかし昨年以降、欧州中央銀行(ECB)が急ピッチで利上げを進め、保有国債の圧縮に乗り出す中で、国債市場が以前よりもずっと不安定化している。
こうした中で今年上半期の英国債の取引額の中央値は、前年同期比で約45%減少した。ドイツとイタリアの国債でも減少率がそれぞれ50%と58%に達した。
取引額の平均もドイツで37%減少、イタリアと英国でともに22%下がった。
一方で取引回数は英国で54%、ドイツで45%、イタリアで24%増えたという。
ICMAのデータアナリスト、シモーネ・ブルーノ氏は「一部の協会員から大口取引の執行が難しくなっているとの声が出ているのを聞いている。結果としてより多くの回数で、小口化されて執行されつつある」と述べた。