[2日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のバー副議長(金融規制担当)は2日、FRBの政策金利は、インフレ率を目標の2%に引き下げるのに十分なほど制約的な水準に達しているか、その水準に近いところにあると感じていると述べた。
バー副議長はニューヨークのフォーキャスターズ・クラブでの講演で、インフレ率を目標まで引き下げるために当面は金利を高水準に維持する必要があると語った。
バー副議長は講演原稿で、政策金利をどこまで引き上げるかよりも、金利をいつまで高水準に維持するかに焦点を当てていると述べ、FRBは金融政策を「慎重に」運営していく必要があると指摘。「現時点で最も重要な問題は、目標達成に向け十分に制約的な金利水準をいつまで維持する必要があるかであり、年内の追加利上げの是非ではないと考えている」とした。
その上で、さまざまな指標を踏まえ適切な政策を見極めていくと表明。インフレ情勢に多くの進展があり、労働市場は引き締まっているとし、「ここまで到達したことを踏まえると、どの程度制約的な金融政策が必要か判断を進める中、慎重にものごとを進めることができる段階に来ている」と述べた。パウエルFRB議長も9月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で同様の発言を行っている。
FRBは9月のFOMCで金利据え置きを決定したものの、2022年3月から1年半で合計5.25%ポイントの利上げを実施。
バー副議長は、こうした利上げのほか、FRBが進めているバランスシートの縮小による本格的な影響は今後現れるとの見方を示した。
このほか、FRBは金融安定に対する懸念に対応するために金融政策を利用すべきではないとの考えを示した。