Michael S. Derby
[ニューヨーク 2日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は2日、インフレ圧力が続いており、米連邦準備理事会(FRB)の利上げはまだ終了していない可能性が高いとの見解を示した。
講演原稿で「われわれは経済動向に関するさらなる情報を集め、これまでの金融引き締めの影響を評価しているが、年内にあと1回金利を引き上げ、その後しばらく据え置く必要があるのではないか」と述べた。
その上で、追加利上げの必要性や金利をいつまで制約的な水準に維持するかは経済動向次第だとした。
メスター氏が発言するのは先月の連邦公開市場委員会(FOMC)以降初めて。
FRBは1年半にわたりインフレ抑制に向け積極的な利上げを実施。物価上昇圧力が緩和していることから9月には政策金利を5.25─5.5%に据え置いた。当局者らは夏時点の予想よりも金利を長期間高水準に維持する可能性を示唆しているが、年内にあと1回の利上げが実施されるかどうかについては疑問が残っている。
FRBのバー副議長(金融規制担当)は2日、インフレ率を目標まで引き下げるために当面は金利を高水準に維持する必要があると語った。ボウマン理事は、入手されるデータでインフレを巡る進展の停滞、または進展が遅すぎることが示されれば、利上げを実施し、金利を当面は制約的な水準に維持することが適切との考えを示した。
メスター氏は、インフレ率が依然として「高すぎる」と指摘する一方、強い経済のバランスが改善するのに伴い、物価上昇圧力が弱まっている兆候も十分にあると述べた。
「経済は良好な軌道にある。労働市場の状況は依然として強いが、労働需給の不均衡は縮小しており、企業は必要な労働者を見つけやすくなっている」と語った。
また、信用コストの上昇に言及したが、タイトな状況は金融政策と一致しているという考えを示した。