Andrea Shalal
[マラケシュ(モロッコ) 10日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、ピエール・オリビエ・グランシャ氏はインタビューで、最近の米国債下落を受けて世界の債券市場の動向を注意深く見守っていると述べた。
金融状況の引き締まりは世界経済が直面するリスクの一つだとしている。
米国債の下落について、追加利上げに対する深刻な懸念や長期的なリスクに対する懸念の高まりよりも、供給のミスマッチを反映している可能性があると指摘。
「供給が増え、価格が調整しているという事実を反映しているだけかもしれない。株式市場やクレジット市場でリスク選好度の大幅な低下は見られない。これは少し奇妙だ」とし「米国債市場を見れば、政府がかなり大量の国債を発行している状況で誰が買うのかという問題が恐らくある」と述べた。
同氏は米国について、経済は良好で、新型コロナウイルスの流行も収束し、戦時でもないため、財政支出の緩和を奨励すると発言。
「良い時期だ。恐らく赤字を減らして悪い時期に(支出を)増やせるようにすべきだ。市場は多くの債券を消化するよう求められている。恐らく買い意欲が少し少ないのだろう。リスクが高まったからではなく、量が増えたからだ」と述べた。