[フランクフルト 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が23日発表した四半期銀行貸し出し調査によると、ユーロ圏の銀行は融資の低迷に改善の兆しが見られるとして、住宅ローンや企業向け融資の需要が今年の早い時期に若干回復すると予想している。
昨年第4・四半期も銀行は貸し出し条件を厳格化したが、厳しくした銀行の数は過去2年間で最も少なく、割合も前回予想よりも小さかった。
ドイツ、フランス、イタリア、スペインのユーロ圏4大国では、住宅ローンの条件を実質厳しくした国はなく、企業向け融資で条件を実質厳しくしたのはドイツのみだった。
銀行は今四半期も融資条件を厳しくすると予想する一方、企業向け融資や住宅ローンに対する需要は2022年初頭以来初めて「小幅な純増」に転じるとみている。
ナティクシスのエコノミスト、ディルク・シューマッハー氏は、融資基準が厳格化しておらず、需要がさほど縮小していないと指摘し、これこそ緩やかな回復の始まりだと述べた。
消費者向け融資の条件は一段と厳しくなったが、住宅ローンについては緩和された。
企業向け貸し出しについては、サービス業に対しては引き締めと緩和がほぼ均衡したが、商業用不動産、建設、住宅用不動産セクターで差し引きで引き締めの度合いが比較的大きかった。
市場でECBの利下げ期待が高まったため、金融市場、長期預金、債券を通じた銀行の資金調達は改善した。しかし短期の小口資金調達と証券化は若干引き締まった。