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フォーカス Research Memo(3):民間関連事業が主力、公共開発事業も安定的収益基盤

発行済 2017-01-13 16:05
更新済 2017-01-13 16:33
フォーカス Research Memo(3):民間関連事業が主力、公共開発事業も安定的収益基盤
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■会社概要

(1)公共関連事業

公共関連事業では、官公庁会計システム、年金システム、労働保険・社会保険システム、医療事務システム、貿易流通システム、航空・交通管制システムなど、高い信頼性と深い業務理解が求められるシステムを数多く手掛けている。
プライムコントラクターはNTTデータグループ(NTTデータ、NTTデータ・アイ)であり、フォーカスシステムズ (T:4662)はサブコントラクターとして関わっている。
関係する省庁は、厚生労働省、国土交通省、財務省、防衛省など多岐にわたっており、大規模かつ長期的なプロジェクトが多いことが特徴である。


また、現在新しい事業基盤とするため注力しているのが、金融分野である。
公共システムでのプロジェクトの経験を通じて蓄積したノウハウを、生命保険、損害保険、信託、証券、政府系金融システム、クレジット等金融分野の多岐にわたる業務システムにおいても活用することで、安定した取引確立に貢献している。


これら官公庁や金融機関向けのシステムは、一度導入するとその後の運用保守や機能改善をユーザサイトに常駐して行うケースが多い。
人員を固定しなければいけないというデメリットはあるものの、ユーザ先に常駐することでユーザとの距離が近くなり、要望や改善提案の掘り起こしがしやすいという大きなメリットがある。
また、大規模プロジェクトが多いため必然的にシステムの運用期間も長くなり、法律改正や技術の進歩に伴うシステム更新案件が数年おきに発生するため、同社にとっては安定的な収益基盤となっている。


(2)民間関連事業

日本IBMや、伊藤忠テクノソリューションズなどの大手システムインテグレーターの他、OKI、ソフトバンクなど一般企業向けに業務アプリケーションの開発や、インフラ構築・運用サービス、及びERP関連製品のカスタマイズ設計・開発などを行っている。
顧客ニーズが多岐にわたるため、複数の事業部体制で様々なサービスを提供している。


a)業務アプリケーション開発
多種多様な業種向けに、Webアプリケーション、クライアント・サーバアプリケーションや、intra-mart※、ERPなどのグループウェアを使った業務アプリケーション開発を行う。
また、大阪、名古屋圏における事業基盤の拡大も進めている。


※intra-mart…NTTデータイントラマート提供のシステム共通基盤ソフトウェア

b)通信制御
ネットワーク仮想化技術(クラウド)を用いた公衆網で、光・無線・パケット通信等のネットワークを管理するための情報を、共通的に扱えるようにするプラットフォームの開発(ネットワーク設計・構築・運用管理ソフトウェア開発)や、各種通信装置や携帯電話の基地局、インターネットの核であるルータやゲートウェイ、携帯電話端末におけるミドルウェアやドライバ通信制御などの開発を行う。


c)インフラ設計・構築
進化の速いオープン系システムにおいて、ハードウェア周り、ネットワーク、OS、ミドルウェアなど、最先端技術を駆使したインフラの設計・構築を行う。


d)技術支援サポート
ハードウェア環境、ネットワーク、OS、ミドルウェアの問題解決や、パフォーマンス向上の支援などを技術者に対して行い、先端技術を必要とする顧客環境の構築を支えている。
ヘルプデスクを設置しての電話による技術サポート、技術力提供による運用システムの開発サポートも実施している。


e)運用サポート
ソフトウェアにおける業務上の問題解決や顧客要求の実現、及びハードウェアを含めた障害発生時の復旧対応を行う。


(3)セキュリティ機器関連事業

デジタルフォレンジック、暗号技術、電子透かしなど、情報セキュリティに関するソリューションやサービスの提供を行っている。
暗号化により情報を守る事前対策から、事故が生じた際にデジタルフォレンジック技術による事後対策まで、トータルに提案可能な製品群をラインアップしている。
前述した2事業と異なりエンドユーザ向けに直接販売しており、海上保安庁、防衛省、自衛隊、法務省、金融庁、警視庁、警察庁等の官公庁や、監査法人、その他企業のシステム部門などが顧客である。


a)電子透かし
コンテンツに目に見えない情報を埋め込むことで、デジタル画像の不正利用、著作権違反の問題を解決する。


b)暗号技術
C4暗号とは、安全で処理速度の高いセキュリティ環境を、マルチプラットフォームで実現できる、同社が開発した暗号アルゴリズム(暗号化の仕組み)である。
同社はこの技術を活用し、店頭のレジや、モバイル端末、パソコン、汎用機まで多様なプラットフォームにおいて、様々な製品群で情報資産を守っている。


c)サイバーフォレンジック
フォレンジックとは、犯罪捜査や法的紛争などで、コンピュータなどの電子機器に残る記録を収集・分析し、その法的な証拠性を明らかにする手段や技術の総称で、意訳すると「デジタル鑑識」のことであり、同社は主に3つのカテゴリーにおいて製品やサービスを提供している。


1)コンピュータやスマートフォンなどを解析するデジタルフォレンジック
2)コンピュータやネットワークへの攻撃で発生する被害を未然防止し、万が一被害が起きてしまった際に事後対応を行うサイバー攻撃対応
3)米国訴訟に巻き込まれる顧客向けのeDiscovery(電子情報開示)

近年、多くの組織がサイバー攻撃対応に頭を悩ませ、内部にコンピュータ緊急対応チームを立ち上げるケースが増えてきた。
これら組織に対し、同社はフォレンジックで培った知識・技術と顧客基盤を生かし、マルウェア(悪意あるプログラム)の解析など、サイバー攻撃対応のサービスを提供している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)

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