米供給管理協会(ISM)が発表した全米の製造業活動を示す9月ISM製造業景況指数は51.5と、8月49.4から再び50を上回り活動の拡大に好転した。
主要項目である新規受注が55.1と、8月の49.1から上昇したことが全体指数を押し上げた。
また、製造業の雇用も49.7と、8月の48.3から改善した。
ISMの製造業調査責任者、ホルコム氏は「製造業には勢いがあるものの、非常に強いものではない」との見解。
同時に、逆風が成長を妨害する可能性もないと見ているようだ。
7−9月期のISM製造業の平均は51.2。
4−6月期平均の51.8を若干下回る。
昨年同期は51.0。
製造業の新規受注が増加を今後も継続した場合、必然的に生産や雇用に拍車をかけることになる。
9月分の生産は52.8と、49.6から再び活動の拡大を示す50台を回復。
雇用も49.7と、48.3から50寸前まで改善した。
輸出も52.0と、活動の拡大域。
輸出は今四半期もGDPに寄与すると見られる。
前四半期の輸出の寄与度は18ベーシスポイントで、今期もほぼ同水準の寄与が期待されている。
ISM製造業の結果は7−9月期経済の反発が緩やかなものにとどまることを示唆しているとエコノミストは指摘。
市場エコノミストの7−9月期国内総生産(GDP)の成長見通しは、現状で2.9%前後。
全般的に年後半の経済は、一部で期待されていたような力強い回復は見られないものの、順調な回復基調が予想されており、年末の利上げを正当化すると見られる。
■米9月ISM製造業景況指数
PMI:51.5(8月:49.4)
新規受注:55.1(49.1)
生産:52.8(49.6)
雇用:49.7(48.3)
入荷遅延:50.3(50.9)
在庫:49.5(49.0)
顧客在庫:53.0(49.5)
仕入価格:53.0(53.0)
受注残:49.5(45.5)
輸出:52.0(52.5)
輸入:49.0(47.0)