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東京外為市場・午後3時=ドル80円後半、米長期金利上昇に反応薄

発行済 2011-07-01 15:44
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       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 80.69/72  1.4514/16  117.12/16

正午現在   80.70/72  1.4497/00  116.99/04

午前9時現在 80.68/73  1.4473/76  116.80/85

NY17時現在 80.52/57  1.4497/02 116.81/86

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 [東京 1日 ロイター]午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比

べ若干ドル高の80円後半。ドルは仲値公示付近で高値を付けた後に失速し、ドル/円の

上昇要因とされる米長期金利の上昇にも反応薄だった。一方、ユーロは底堅い値動きをみ

せ、東京時間終盤までに3週間ぶり高値となる1.45ドル台に安定的に乗せた。

 

 ドルは仲値公示にかけて、80.89円とこの日の高値をつけた。日本勢のドル買い需

要に加え、ユーロ/円で海外勢が新たなロング・ポジションを作ったことも、ドル/円の

上昇に寄与したとの見方が出ていた。しかし、仲値以降は上値が重くなり、80円後半で

のこう着状態が続いた。

 「米国市場では株が上がり、債券利回りが上昇し、リスク・オン相場とも言える動きだ

ったが、ドル/円は米金利上昇にもついていけず、乗り遅れているようだ」(ファンド・

マネージャー)という。

 他方、ユーロは朝方の安値1.44ドル後半から徐々に上値を切り上げ、東京時間終盤

には1.45ドル半ば付近まで上昇し、前日海外市場でつけた3週間ぶり高値を上抜けた。

ギリシャ議会が緊縮財政関連法案を可決し、欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)

の第1次支援第5弾融資確保に向けて歩を進めたことで、「ユーロのアク抜け感が高まっ

た」(邦銀)という。投機筋の買いに支えられたユーロ/円は、116.76円の安値か

ら117.24円付近まで上昇した。

 

 <輸出勢と輸入勢>

 きょうから一部大手輸出企業では、節電対応で木曜日と金曜日を休暇にし土曜と日曜に

出社する体制を導入する。為替市場では、「これまで月間20―21営業日でオーダーを

発注していた輸出勢が、12―13営業日しかオーダーを発注しないことで、月曜日から

水曜日までのドル売り圧力が強調され、木曜日、金曜日と売り圧力が低下するかもしれな

い、と話題になっていた」(ファンド・マネージャー)という。ただ、「実際そうしたこ

とがあるかどうかは疑問」(同)だという。

 

 一方、このところの外為市場ではドル/円相場のこう着感が強まっているが、外貨調達

サイドの輸入業者が金融機関が提示する公示相場で外貨を手当てするケースが増えている

という。

 「相場の変動が極めて小さいことや、変動相場制移行後の最も高い水準で円相場がこう

着状態になっていることで、輸入サイドはあわてて数カ月先の予約を取る必要がなくなっ

ている。公示相場で手当てする企業も多いようだ」と輸入商社アイガーのシニア為替アド

バイザー角田秀三氏は言う。 

 角田氏によると、ニューヨークの午後5時から東京の午後5時のゾーンでのドル/円の

値幅は、1月に2.77円、2月に2.88円、3月に7.05円、4月に4.48円、

5月に2.66円、6月に1.87円だった。

 <豪ドル>

 この日中国物流購買連合会が発表した6月の購買担当者指数(PMI)が50.9と、

5月の52.0から低下し、28カ月ぶりの低水準となったことを受け、中国景気に最も

敏感な豪ドルは一時1.0673米ドルまで下落した。しかし、その後は切り替えして東

京時間終盤までに1.07ドル前半まで反発した。

 豪ドルをめぐり目先もっとも注目されているのは、5日に予定されているオーストラリ

ア準備銀行(RBA)の政策決定会合だ。

 今回の会合は「ギリシャ情勢や米、中の景気減速が世界景気に与える影響をRBAがど

う解釈するのかという点で注目され、今後、各国中銀の政策の行方を見るうえでも布石と

なるだろう」と野村証券・為替ストラテジストの高田将成氏は言う。

 

 豪ドルは先週27日に、ギリシャの緊縮財政法案の議会通過をめぐる不透明感が高まっ

たことや原油価格の下落を背景に、リスク回避ムードが広がったことを受け、一時

1.0390ドル付近まで下値を伸ばし、1カ月ぶりの安値をつけた。しかし、前日には

1.0751ドル付近まで値を戻し、3週間ぶり高値を更新した。

 「27日の(豪)短期のスワップ取引では、今後1年間に25ベーシスポイントの利下

げもありうるとの慎重な見方が台頭したが、きょうまでにそうした思惑は後退している」

と高田氏はしたうえで、「豪州の国内需要が引き続き堅調であることや、コモディティー

市況についてRBAが強気な見方を維持していることを踏まえ、今後の利上げのペースに

ついて、5日の会合でなんらかの示唆を与えるかが注目される」と述べた。

 

 <米金利底打ち感>

 市場には、米長期金利の底打ち感が広がっている。米景気のソフトパッチを織り込んで

低下していた米金利は、ここにきて急速に反転上昇。米10年債利回り

30日、注目されていた200日移動平均線の3.14%の水準を突破した。「これまで

の相場と7月からの相場の違いは、米金利が底を打ったこと。潮目が変わった」(大手銀

行)との声が上がっている。

 また、米国の債務上限は最終的には引き上げられるとみる声が多く、米債は増発方向。

一方で、米量的緩和第2弾(QE2)が終わり、米連邦準備理事会(FRB)が米債を買

わなくなる。需給悪化はドル金利の上昇要因になるとともに、海外からの資金流入を確保

するためにドルの価値を維持する必要も出てくる。

 「これまでのように、輸出振興をにらんだドル安政策で、ドル指数<.DXY>が過去最低水

準を意識するような展開にはなりにくい。リスクオンでもドルが売られにくくなりそうだ」

(大手銀行)との声が聞かれる。

 

(ロイターニュース 森佳子)※(yoshiko.mori@thomsonreuters.com;03-6441-1877;

ロイターメッセージング:yoshiko.mori.com@reuters.net)

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