■今後の事業戦略
ジーンテクノサイエンス {{|0:}}は今後の目指す事業の方向性として、「バイオで価値を創造するエンジニアリングカンパニー」を標榜し、開発のターゲット領域について、従来の希少疾患や難治性疾患に加えて、小児疾患(若年性疾患含む)やアジアの疾患などへと拡大していくことを打ち出している。
創業以来蓄積してきたバイオ医薬の開発ノウハウやバイオシミラーの高効率な製造プロセス開発の経験・ノウハウをベースに様々な創薬シーズを組み合わせて、新たな医薬品の開発を進めていくだけでなく、NKグループとのシナジーを活かして新たな治療法の開発や医療サービス(早期診断、遺伝子検査サービス等)も含めた価値の創出に取り組んでいく方針となっている。
同社が今後強化していく差別化技術としては、薬効の有効性を高める技術、治療部位の拡大を可能とする技術(薬剤を目的部位に到達させる技術)、服薬コンプライアンスの改善技術(薬効の持続性向上)、副作用の低減技術(副作用リスクのある分子の判別)を挙げており、これら技術を組み合わせることで、付加価値の高いバイオ医薬品を開発していくことになる。
なお、治療部位の拡大を可能とする技術では2018年4月にナノキャリア(株)と資本業務提携を締結しており、ナノキャリアの持つミセル化ナノ粒子(高分子ミセル)技術なども活用していくと見られる。
また、今回新たに開発ターゲットとして小児疾患領域を加えたのは、同領域の新薬開発が手薄であり競争が激しくなく、また、現在は高薬価がつく希少疾患や難治性疾患の開発がブームとなっているが、今後は少子化の進展とともに、小児疾患領域の開発にもスポットが当たると考えているためだ。
日本における小児疾患関連の薬局調剤医療費は、2015年時点で約5,000億円と全体の約6.25%を占めるに過ぎないが、難治性小児疾患も多くあり、潜在的な成長ポテンシャルは大きいと見られる。
現在、(株)日本再生医療で実施している心臓内幹細胞を用いた心機能の改善治療法についても小児疾患の1つであり、再生医療も含めて今後の開発への取り組みが注目される。
なお、中期的な業績のイメージについては、既存のバイオシミラーのパイプライン(GBS001~GBS011)の開発推進と上市により売上高を拡大していくほか、2025年以降に新規パイプライン(1~2品目)の売上高の積み上げを図っていく戦略であり、これらにアップサイドポテンシャルとして海外での導出による売上寄与を見込んでいる。
既存のパイプラインの開発が順調に進めば、2020年以降に2〜3品目が段階的に上市される見込みであり、2022年〜2023年頃には営業利益段階で黒字化する可能性があると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
ジーンテクノサイエンス {{|0:}}は今後の目指す事業の方向性として、「バイオで価値を創造するエンジニアリングカンパニー」を標榜し、開発のターゲット領域について、従来の希少疾患や難治性疾患に加えて、小児疾患(若年性疾患含む)やアジアの疾患などへと拡大していくことを打ち出している。
創業以来蓄積してきたバイオ医薬の開発ノウハウやバイオシミラーの高効率な製造プロセス開発の経験・ノウハウをベースに様々な創薬シーズを組み合わせて、新たな医薬品の開発を進めていくだけでなく、NKグループとのシナジーを活かして新たな治療法の開発や医療サービス(早期診断、遺伝子検査サービス等)も含めた価値の創出に取り組んでいく方針となっている。
同社が今後強化していく差別化技術としては、薬効の有効性を高める技術、治療部位の拡大を可能とする技術(薬剤を目的部位に到達させる技術)、服薬コンプライアンスの改善技術(薬効の持続性向上)、副作用の低減技術(副作用リスクのある分子の判別)を挙げており、これら技術を組み合わせることで、付加価値の高いバイオ医薬品を開発していくことになる。
なお、治療部位の拡大を可能とする技術では2018年4月にナノキャリア(株)と資本業務提携を締結しており、ナノキャリアの持つミセル化ナノ粒子(高分子ミセル)技術なども活用していくと見られる。
また、今回新たに開発ターゲットとして小児疾患領域を加えたのは、同領域の新薬開発が手薄であり競争が激しくなく、また、現在は高薬価がつく希少疾患や難治性疾患の開発がブームとなっているが、今後は少子化の進展とともに、小児疾患領域の開発にもスポットが当たると考えているためだ。
日本における小児疾患関連の薬局調剤医療費は、2015年時点で約5,000億円と全体の約6.25%を占めるに過ぎないが、難治性小児疾患も多くあり、潜在的な成長ポテンシャルは大きいと見られる。
現在、(株)日本再生医療で実施している心臓内幹細胞を用いた心機能の改善治療法についても小児疾患の1つであり、再生医療も含めて今後の開発への取り組みが注目される。
なお、中期的な業績のイメージについては、既存のバイオシミラーのパイプライン(GBS001~GBS011)の開発推進と上市により売上高を拡大していくほか、2025年以降に新規パイプライン(1~2品目)の売上高の積み上げを図っていく戦略であり、これらにアップサイドポテンシャルとして海外での導出による売上寄与を見込んでいる。
既存のパイプラインの開発が順調に進めば、2020年以降に2〜3品目が段階的に上市される見込みであり、2022年〜2023年頃には営業利益段階で黒字化する可能性があると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)