■主要パイプラインの開発状況
4. その他開発プロジェクト
(1) 慢性B型肝炎
2017年4月に、米Vicalと慢性B型肝炎の治癒を目指した遺伝子治療薬の共同開発契約を締結し、アンジェス (T:4563)は日本における開発・販売権に関する優先交渉権を獲得している。
慢性B型肝炎の持続的なウイルス感染者(キャリア)数は、国内で130万人以上、世界で約3.5億人いると推計されている。
現在の標準的な治療法である抗ウイルス剤の投与では、ウイルスを完全に排除することができないため治癒には至らず、基本的には生涯にわたって薬剤を服用し続ける必要がある。
B型肝炎治療薬の市場規模は2021年に世界で約4,200億円まで拡大することが予想されており、同社にとっては有望市場となる。
2017年4月よりマウスを使った共同実験を開始している。
今後良好な結果が得られた場合には米Vicalと協議し、第1/2相臨床試験かライセンス契約交渉に進む可能性がある。
仮にライセンス契約が決まった場合、同社は日本エリアを対象とした契約金やロイヤリティ収入などを獲得できることになる。
(2) エボラ出血熱抗血清製剤
エボラ出血熱に対する抗血清製剤の開発を2015年より進めている。
エボラウイルスのタンパク質をコードとするDNAワクチンをウマに接種し、その血清に含まれる抗体を精製して抗血清製剤を製造する。
DNAワクチン技術を保有する米Vicalより国内の独占的開発販売権を取得し、現在はワクチンと感染症の研究開発で世界有数の施設を持つカナダのサスカチュワン大学と共同で、本製剤の特性及び品質の検証を進めている。
2017年12月に発表した中間報告では、動物実験において抗血清を投与した群では、対象群と比較して死亡率や体重の減少が抑制されるという効果が確認されている。
今後さらに動物実験を実施し、良好なデータが得られれば製薬企業とライセンス契約を締結、またはライセンスアウトしていく計画となっている。
主に罹患者の治療用や感染リスクの高い医療従事者の携帯用・備蓄用などの緊急対策用の需要を想定している。
(3) CIN治療ワクチン(参考)
韓国バイオリーダースから導入したCIN治療ワクチン(子宮頸がん前がん病変治療ワクチン)については、2016年12月に森下仁丹に国内外の独占的開発・製造・販売権の再許諾を行い、現在は森下仁丹によって開発が進められている。
同ワクチンの開発に成功し、上市されれば、販売額に応じた一定のロイヤリティ収入を同社が受け取ることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
4. その他開発プロジェクト
(1) 慢性B型肝炎
2017年4月に、米Vicalと慢性B型肝炎の治癒を目指した遺伝子治療薬の共同開発契約を締結し、アンジェス (T:4563)は日本における開発・販売権に関する優先交渉権を獲得している。
慢性B型肝炎の持続的なウイルス感染者(キャリア)数は、国内で130万人以上、世界で約3.5億人いると推計されている。
現在の標準的な治療法である抗ウイルス剤の投与では、ウイルスを完全に排除することができないため治癒には至らず、基本的には生涯にわたって薬剤を服用し続ける必要がある。
B型肝炎治療薬の市場規模は2021年に世界で約4,200億円まで拡大することが予想されており、同社にとっては有望市場となる。
2017年4月よりマウスを使った共同実験を開始している。
今後良好な結果が得られた場合には米Vicalと協議し、第1/2相臨床試験かライセンス契約交渉に進む可能性がある。
仮にライセンス契約が決まった場合、同社は日本エリアを対象とした契約金やロイヤリティ収入などを獲得できることになる。
(2) エボラ出血熱抗血清製剤
エボラ出血熱に対する抗血清製剤の開発を2015年より進めている。
エボラウイルスのタンパク質をコードとするDNAワクチンをウマに接種し、その血清に含まれる抗体を精製して抗血清製剤を製造する。
DNAワクチン技術を保有する米Vicalより国内の独占的開発販売権を取得し、現在はワクチンと感染症の研究開発で世界有数の施設を持つカナダのサスカチュワン大学と共同で、本製剤の特性及び品質の検証を進めている。
2017年12月に発表した中間報告では、動物実験において抗血清を投与した群では、対象群と比較して死亡率や体重の減少が抑制されるという効果が確認されている。
今後さらに動物実験を実施し、良好なデータが得られれば製薬企業とライセンス契約を締結、またはライセンスアウトしていく計画となっている。
主に罹患者の治療用や感染リスクの高い医療従事者の携帯用・備蓄用などの緊急対策用の需要を想定している。
(3) CIN治療ワクチン(参考)
韓国バイオリーダースから導入したCIN治療ワクチン(子宮頸がん前がん病変治療ワクチン)については、2016年12月に森下仁丹に国内外の独占的開発・製造・販売権の再許諾を行い、現在は森下仁丹によって開発が進められている。
同ワクチンの開発に成功し、上市されれば、販売額に応じた一定のロイヤリティ収入を同社が受け取ることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)