ドル/円
午後3時現在 96.10/15 1.4167/72 136.14/26
正午現在 96.07/12 1.4180/85 136.31/38
午前9時現在 95.96/01 1.4137/42 135.67/78
前日NY17時 95.93/97 1.4142/47 135.93/98
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[東京 4日 ロイター] 午後3時現在のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後
5時時点から強含み、96円前半で推移している。株安と米長期金利低下でドルと円が買
い戻される流れは一服し、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(英中銀、BOE
)の政策決定を控え、ユーロの下落にも歯止めが掛かっている。
ドルは朝方の95円後半から一時96.37円まで上昇した。しかし、高値では利食い
も出て、96円前半の値動きが中心となった。市場の一部では、この日シドニーで開催さ
れたコンファレンスでフィッチ・レーティングスのソブリン格付け担当幹部が、米国と英
国が正しい政策を実施し、トリプルAの格付けを維持するとの見通しを再度表明したこと
が、朝方のクロス円やドル/円での円売りにつながったとの指摘もある。
また、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙電子版が、マレーシア首相が同国
と中国の貿易取引の決済を、現在のドル建てから徐々に自国通貨建てに移行させることを
検討している、と報じたことがユーロ/ドルやユーロ/円の下支えになったとの指摘もあ
る。
ユーロ/ドルは前日のアジア時間に1.4339ドルと約6カ月ぶりの高値をつけたが
NY市場終盤までには、米国株下落等を背景に1.4109ドルまで300ポイント以
上売り込まれるなど、荒っぽい値動きを見せた。きょうの東京市場では、1.41ドル台
の狭い値幅での取引となった。
市場では、大手米銀が1.38ドルが行使価格で6月9日期日のユーロ・プットを買っ
たとの憶測も流れた。
「ユーロの急激な下落は、最近のユーロ高が実需を伴う動きではなく、短期筋のユーロ
買いが中心の実態のない上げ相場だったことの証明」(ファンド・マネージャー)との声
も聞かれる。
他方、ユーロ/円では押し目買いが目立った。外資系証券がユーロ/円に買いを入れた
とみられるほか、個人もクロス円に買いを入れたことからユーロ/円は一時136.74
円まで買われ、きょうの安値135.55円からは1円を超える上昇になった。前日は7
カ月半ぶり高値138.02円をつけたあと海外市場で135.29円まで一気に売られ
ている。
<ECB、BOE>
市場では、きょうの理事会でECBが政策金利変更を行う可能性は小さいとの見方が大
勢だが、マーケット・ニュース・インターナショナルがユーロシステム内の当局者の発言
として、ECBはリセッション(景気後退)への対応として、ある時点で0.25%ポイ
ントの追加利下げを行う可能性があると報じた。
この当局者は匿名を条件に「今度の理事会かその次回かは言えないが、0.25%の追
加利下げという選択肢は引き続き存在する。実際に金利を1%の水準にとどめるべきかを
めぐり、理事会で一部白熱した議論があった」と語った。
ECB同様に、きょう政策委員会が予定されているイングランド銀行(英中央銀行)
については、政策金利が既にゼロ近くまで引き下げられていることから、今後はどの程度
量的緩和策を実施するかに注目が集まっている。
英ポンド/ドルは1.62ドル後半。ポンドは3日、一時1.6664ドルと7カ月
ぶりの高値を付けたが、ロイターがアナリスト約60人を対象に実施した調査では、ポン
ドは向こう数四半期は軟調に推移するとの予想が多かった。ただ、英国経済が回復して投
資家のリスク志向が強まり始める年末にかけては戻り歩調となると予想されている。3カ
月後の予想値は1.57ドル、6カ月後は1.55ドル、1年後は1.61ドルだった。
ポンドは今年1月に1.35ドルと23年ぶりの安値をつけたが、その後は下落の行き
過ぎ感から持ち直し、過去1カ月間で12%上昇した。
<豪ドル>
豪ドル/円は77円前半。4月の豪貿易収支は9100万豪ドルの赤字となり、一時7
6.60円付近まで弱含んだ。市場では、「予想外の貿易赤字だったので若干豪ドルが売
られた」(大手証券)との指摘があるが、下押しは一時的で、その後は続落することもな
く、小動きに終始している。ロイターがまとめたエコノミスト予想の中央値は14億豪ド
ルの黒字だった。
豪ドルは0.8028/30米ドルと前日NY市場終盤の0.8012ドル付近から小
幅に上昇した。
他方、投資家の不安心理を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ
ー(VIX)指数<.VIX>は31.02で、上昇の気配を見せている。市場参加者によれば
5月下旬につけた34.5を上回ると、節目となる40を再度上抜けする可能性が高ま
るという。
また、VIX指数の上昇は米国株の下落可能性をも示しており、今後数週間で米国株が
下落トレンドに入る危険性があり、為替市場では、投資家のリスク選好回復というシナリ
オに乗って買われてきた新興国通貨、資源国通貨等のポジションが巻き戻されて下落する
確率が高くなるという。
(ロイター日本語ニュース 森佳子)※(yoshiko.mori@thomsonreuters.com;03-6441-187
7;ロイターメッセージングyoshiko.mori.reuters.com@reuters.net)