ドルは金曜午前の欧州時間でほとんどの主要通貨に対して横ばいだが、中国人民銀行総裁が7ドルを下回る人民元安を容認するかもしれないことを示唆した後、中国元に対してドルは上昇した。
午後9時30分発表の米国雇用統計前ということでドルは狭い範囲で取引されている。中国とメキシコとの関税賦課拡大による景気下押し圧力がある中で、米国経済の状況を確認できるよい機会となる。
午後4時25分時点で、 ユーロはドルに対し1.1269ドルとなり、4月のドイツ鉱工業生産が大幅に下落したことを受けてわずかに下落した。 4月仏鉱工業生産は0.4%となった。
ドルインデックスは、97.012と横ばいだった。
中国人民銀行の易綱総裁は、人民元の為替レートに関して、特定の数値(7ドル)が「他よりも重要ということはない」とブルームバーグに語った。「人民元は引き続き均衡水準でおおむね安定すると非常に自信を持っている」とも述べた。
ナショナルオーストラリア銀行のストラテジストであるChristy Tan氏によれば「人民元が7ドルを突破する危険性は、貿易戦争の激化や緊張が長期化する可能性が高まるにつれて大きくなっている」と述べた。
ユーロは、欧州中央銀行(ECB)が理事会後に微妙なメッセージを送った後はほとんど変化がない。 ECBはフォワードガイダンスでは利下げを考慮していないように見えたが、その後、経済がさらに減速するなら、量的緩和の再開を含むすべての方法を除外しないとドラギ総裁は繰り返した。