マーケットの混乱を避けるために、米財務長官は伝統的に「強いドル」を主張してきた。
一方で今日のトランプ米大統領はドル安を求めている。
トランプ米大統領は11日、ユーロやその他通貨が対ドルで過小評価されており米国が大きな不利益を被っているとツイート。加えて米政策金利はあまりに高く「馬鹿げた」量的引き締めだと批判した。
12日午後6時49分時点でドルインデックスは0.01%安の96.637。
11日の原油価格は小動きとなった。EIAによる最新の原油在庫統計への警戒感が背景にあった。
夏季シーズンは通常ガソリン需要が拡大し原油在庫が減少するが、直近の在庫量は大幅に増加している。
また米原油生産量も記録的な高水準にあり、原油価格に下押し圧力を加えている。
本日の米国市場で注目の3ポイントは以下の通りだ。
1. 米中貿易摩擦
G20サミットを目前に控えた米中両国による貿易協議は引き続き米国市場に大きく影響するだろう。
米国が中国への強硬姿勢を崩さないのであれば、中国もそれに見合った手段を取ると中国外務省が警告したことで貿易摩擦は悪化している。
一方トランプ米大統領は貿易戦争の決着を示唆し続けている。
トランプ大統領は「現在は私の手で合意を延期している。中国とは素晴らしい合意に至るか、あるいは何の合意もないかのどちらかだ」と発言。
2. 5月米コア消費者物価指数(CPI)
12日午後9時30分に米CPIが発表される。物価の抑制が裏付けられれば、7月FOMCでの利下げ確率がさらに高まるだろう。
FRBによる7月利下げ確率は84%となってを織り込んでいる。
5月米CPIは4月の0.3%から0.1%に低下する見通し。一方、コアCPIは4月の0.13%から0.21%に上昇低下する見通し。
なお年次ベースでのCPI成長率は1.9%、コアCPI成長率は2.1%の予想である。
3. 米EIA週次原油在庫
12日午後11時30分、米エネルギー情報局(EIA)が週次原油在庫量を発表する。
米WTI原油先物は2.80%安の51.78ドル。
12日早朝に発表された米石油協会(API)の週次報告では、米原油在庫は先週485万2000バレル増加したことが明らかになった。今夜のEIA原油在庫も増加するのかに注目が集まるだろう。
EIAは今年の米原油生産量を5月の予想から1%下方修正し、日量1232万バレルと予想。また2020年の予想生産量を0.9%下方修正し、日量1326万バレルとしている。