先週FRBが利下げを今年後半に行う用意をしていると示唆したことから、24日のアジア時間において米ドルは4日連続の続落となっている。
午後5時32分時点で、米ドルインデックスは0.16%安の95.567で取引されている。
今週争点となるのが、日本で開かれるG20サミットにおいて米中間の貿易摩擦は解消されるのかという問題だ。
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は共に、サミットにおいて貿易に関する対談を行う事を認めている。
しかしサミットを数日後に控える中、米国は中国のテック企業5社を同国の禁輸措置対象企業に加えており、通商合意成立に対する不透明感が強まっている。
中国国営の人民日報は22日、トランプ政権が貿易戦争を続けるのであれば中国政府は「最後まで戦う」と報じている。
同紙は、貿易交渉を望むなら「米政府は誠意を表し、両陣営の事情を考慮して関税を全て取り下げる必要がある」と伝えている。
一方で、豪ドル/米ドルは0.40%高の0.6951となっている。オーストラリア準備銀行フィリップ・ロウ総裁は24日、更なる金融緩和の世界経済成長へどれほど寄与するのかについて疑問を示した。
オーストラリア準備銀行は「各国が揃って金融緩和に乗り出せば、為替レートが金融政策の波及チャネルとして機能しなくなる」と述べ、「我々は地球上のどこかの国と貿易を行っているわけで、火星と貿易を行っているわけではない。なので全員が金融緩和を行えば、トランスミッション・メカニズムを通じた為替レート切り下げの恩恵はどこにも存在しなくなる」と加えている。
政治的に不安定な局面で安全資産として好まれる日本円であるが、米イラン間の緊張の高まりを受けてもなお24日に対ドル安となった。
米ドル/日本円は0.11%高の107.42で取引されている。