24日、ユーロドルは3か月ぶりの高水準まで上昇した。FRBが今年後半に利下げを行う見込みであることを受け、ドル安が進んだことが影響したとみられる。
ユーロは先週から上昇を続け、3月22日以来の最高値となり、18時50分時点で0.22%高の1.1391ドルを付けている。
また米ドルインデックスはFRBが利下げを来月にも行うことを示唆した後85.57ドルまで下落したものの、18時50分時点では小幅安の95.578ドルを付けている。
ユーロ圏はイタリアの債務問題や、欧州中央銀行による金融緩和などの問題を抱えていたものの、ドル安下でユーロドルは上昇している。
大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは今回の件について以下のように述べている。
「FRBの利下げ傾向を受け、欧州中央銀行(ECB)が金融緩和に踏み切る必要が出てくる可能性はあるが、すでに同行はマイナス金利を採用しており、FRBのように金融緩和をしたくても、する余地があまりないというのが実情だ。これらの要因がユーロ高に繋がっていると考えられる」
一方で21日、ドルは約6か月ぶりの低値の107.44円を付け、18時50分時点で0.07%高の107.37円となっている。
イランとアメリカの間で緊張が高まったのを受け、安全資産である円が買われ、円高が進んだのだとみられる。
しかしドル建て資産からの避難は持続的であるとは考えにくいため、ドルが105円を超えることは考えにくいとFPG証券の深谷幸司取締役は述べており、また以下のように付け加えた。
「例えば{{166|S&P 500}}は利下げの見通しを受け最高値を記録した。投資家のリスク志向が高まれば、円高は減速するだろう」
また、米国と中国が今週の日本でのG20における首脳会談で貿易戦争を解決できるかに注目が集まる。
王受文商務次官は16日、貿易協議では中国と米国の双方の妥協をするべきであると述べた。
一方で、オーストラリア準備銀行(RBA)のフィリップ・ロウ総裁は、経済成長を後押しするために行われている世界的な金融緩和政策の有効性に疑問を抱くことは正当であると述べた。この発言の後、オーストラリアドルは2週間ぶりの高水準である0.6961ドルをつけた。
このコメントは、同氏の先週の、オーストラリアの金利を史上最低の1.25%に引き下げただけでは、経済成長を復活させるには不十分であるというという発言を踏まえると、少しばかりハト派姿勢を弱めたと受け取られている。
オーストラリアドルは、先週FRBが利下げ姿勢を強めたことでオーストラリアやニュージーランドなどの国が金融緩和を行う可能性が強まった際に付けた、5か月ぶりの低水準である0.6832ドルから反発してから底堅く推移している。
ニュージーランドドルは2週間ぶりの高水準である0.6605ドルをつけた。一方で、ニュージーランド準備銀行は26日の会合で他の中央銀行と同調しハト派姿勢を示すことが予想されている。