ドル円は27日、米中貿易戦争における休戦の兆しが見える中で、1週間ぶりの高値を記録した。しかし投資家は週末のG20における米中首脳会談を前に依然として慎重な姿勢をとっている。
18時5分時点でドル円は0.15%高の107.94円をつけており、6月19日以来の高値となっている。
また香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは27日、米国は中国からの輸入品に対する3000億ドルの追加関税を回避する方向で中国と合意したと報じた。
トランプ米大統領は26日、週末に予定された中国の習近平国家主席との貿易協議が物別れに終わった場合、残りの中国からの輸入品全てに関税を課す予定であると発言していた。
トランプ氏と習氏の会談は、28-29日に大阪で開催されるG20にて行われる予定だ。
みずほ証券の山本氏によると、米中首脳会談の米国金融政策に対する影響は非常に大きいという。
山本氏は「両国が追加関税を課さないことで同意した場合、FRBは利下げを行わずに済むだろう」とした上で、「反対に、両国が追加関税を課すこととなった場合は、利下げを行う可能性が高くなるだろう」と述べた。
FRBが数ヵ月以内の利下げを示唆した後にドル安が進み、25日には6ヵ月ぶりの安値となる106.78円をつけた。
また米ドルインデックスは18時5分時点で0.06%高の95.782ドルをつけている。
FRBの利下げ観測を受け、ドルインデックスは週初め3ヵ月ぶりの低水準となる95.36ドルにまで下落した。しかしパウエルFRB議長が過度な利下げ観測をけん制するなど、中央銀行の関係者からのコメントが発表されてからは小幅反発している。
一方でユーロドルは18時5分時点で0.01%高の1.1369ドルをつけている。
またNZD/USDは0.12%高の0.6686ドルとなっており、26日に記録した2ヵ月ぶりの高値である0.6693ドルに迫る勢いを見せている。
一方でAUD/USDは2週間半ぶりの高値である0.6999ドルを記録したが、18時5分時点では0.17%高の0.6995ドルをつけている。